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基本領域の学会認定専門医、できるだけ「機構認定専門医」へ移行を―日本専門医機構・寺本理事長

2021.7.19.(月)

今秋(2021年秋)に、広告可能な専門医資格のルールが見直され、「日本専門医機構の認定する基本領域専門医」資格が原則となる。このため、すでに「基本領域学会の専門医資格」を保有する医師は、更新の折などに「日本専門医機構の認定する基本領域専門医」へ移行していくことが期待される―。

ただし、「日本専門医機構の認定する基本領域専門医」への移行を望まない医師もいると考えられ、「X学会の認定するX専門医」資格と「日本専門医機構の認定するX領域専門医」資格との併存が、比較的長期にわたる可能性がある―。

日本専門医機構の寺本民生理事長は、7月19日の定例記者会見でこういった見解を述べました。「国民への分かりやすさ」という視点に立てば、個々の医師に対する「日本専門医機構の認定する基本領域専門医」への移行促進策を検討していく必要があるかもしれません。

なお、今後のサブスペシャリティ領域に関連して、「サブスペ領域の基準は満たさないものの、基本領域学会が推薦する領域・学会」については、「日本専門医機構の承認する学会認定専門医」と扱うなどの検討を進めていることも寺本理事長は明らかにしています。

7月19日の定例記者会見に臨んだ、日本専門医機構の寺本民生理事長

学会認定専門医と機構認定専門医との併存が、比較的長期間に及ぶ可能性あり

Gem Medでお伝えしているとおり、今秋(2021年秋)に「広告可能な専門医資格」のルールが見直され、原則は「日本専門医機構の認定する新専門医資格」(ただし現在は19基本領域のみ)とし、現在の「56学会の認定する専門医資格」は経過的に認められるに過ぎないこととなります。

従前の専門医制度については「各学会が独自の基準で専門医を認定し、また専門医が乱立されたことにより、質が担保されておらず、かつ国民に分かりにくい」という強い批判があり、2018年度から「日本専門医機構と医学会が共同して研修プログラムを作成し、統一基準で認定を行う新専門医制度」へと改められました。

この「国民への分かりやすさ」という視点を重視し、今秋(2021年秋)にも「日本専門医機構の認定する19基本領域の新専門医」が誕生することを受け「広告可能な専門医資格」のルールも見直すものです。具体的には、次のように改められます。

(1)広告可能な専門医資格は、原則として「日本専門医機構の認定する19基本領域」とする
(2)日本専門医機構の認定する「サブスぺシャリティ領域」の専門医資格については、詳細の整理を待って、広告の在り方を改めて検討する
(3)現在認められている「56学会の認定する専門医」資格については、当分の間、広告可能とする(経過措置)が、「同一領域の専門性があるもの」については、日本専門医機構の認定する専門医」資格に限って広告可能とする
(4)新規の「専門医資格の広告」に関する届け出については適切に取り扱う
(5)歯科領域の新専門医資格いついても上記と同様に考える(1)(2)と同様とする

ところで、「総合診療専門医」を18の基本領域(▼内科▼小児科▼皮膚科▼精神科▼外科▼整形外科▼産婦人科▼眼科▼耳鼻咽喉科▼泌尿器科▼脳神経外科▼放射線科▼麻酔科▼病理▼臨床検査▼救急科▼形成外科▼リハビリテーション科―)に関しては、更新の際に「日本専門医機構の認定する新専門医」へ移行していくことが期待されています。

寺本理事長も7月19日の定例記者会見で「日本専門医機構としては、基本領域学会の専門医については、いずれ全面的に『日本専門医機構認定の新専門医』に移行してほしい。基本領域学会ともそうした方向で調整を進めていく」との考えを明らかにしており、将来的には、上記の18領域の「学会認定専門医」のほとんどは、「日本専門医機構の認定する基本領域の新専門医」に移っていくと考えられます。

しかし、医師の中には「日本専門医機構認定の新専門医には移行したくない」「日本専門医機構認定の新専門医の要件を満たすことが難しい」などの理由で、「旧来の学会認定専門医資格」を維持する方もおられるかもしれません。こうした場合「学会認定の専門医資格を剥奪することは難しい」(寺本理事長)と考えられ、将来にわたっても、ごく一部にとどまると思われますが、「18の基本領域学会の認定する専門医」が存続する可能性があります。

つまり、「X学会の認定するX専門医」資格と「日本専門医機構の認定するX領域専門医」資格との併存が、比較的長期にわたる可能性があるのです。

これは我々国民にとっては、「2つの専門医資格がどう違うのか」を理解することは難しく、寺本理事長のコメントどおり「日本専門医機構の認定する新専門医への移行」を進めていく必要があります。学会レベルでの移行推進はもちろん、「個々の医師レベルでの移行」促進策を検討していく必要があるのかもしれません。

「サブスペ基準を満たさないが、基本領域の推薦ある学会・領域の専門医」をどう考えるか

なお、サブスペ領域については、上記(2)のとおり「今後、日本専門医機構認定でサブスペ領域の在り方を固め、それを踏まえて広告の在り方を検討していく」ことになります。

将来的には、▼日本専門医機構の認定する基本領域専門医▼日本専門医機構の認定するサブスペ領域専門医―が広告可能資格の原則となるイメージです(経過的に「学会認定の専門医」が広告可能となる)。

この点に関連して、寺本理事長は「サブスペ領域を議論していく中では、サブスペ領域の要件こそ満たさないものの、一定の基準をクリアした基本領域学会の推薦する学会・領域が出てくると思われる。そうした学会・領域については『日本専門医機構の承認する学会認定専門医』というカテゴリを考えていく」との見解を明らかにしています。

サブスペ領域としての認定を希望する学会・領域は少なくありません(100程度の領域・学会が手上げしている)。しかし、例えば病院団体は「すべてを認めれば、従前の『学会乱立』と同様となる」とし、サブスペ領域の認定は厳格に行うべきとの姿勢を崩していません。

ところで、サブスペ領域は「基本領域との連携」が重視され、申請にあたっては「基本領域からの推薦」が原則となります。このため、サブスペ領域を希望する領域・学会は、機構での審査を経て、(A)サブスペ領域の基準を満たす(B)サブスペ領域の基準すべては満たさないものの、基本領域が適正性を認める(適正性を認めなければ推薦されないはずである)―の2つに大別されることになるでしょう。

この(B)学会・領域については、「基本領域による推薦がある」ことを重視した取り扱いをすべきとの考えが日本専門医機構や基本領域学会にあり、上記の「日本専門医機構の承認する学会認定専門医」というカテゴリが検討されているのです。

このため将来的には、▼日本専門医機構の認定する「基本領域専門医」▼日本専門医機構の認定する「サブスペ領域専門医」(上記(A))▼日本専門医機構の承認する「学会認定専門医」(上記(B))▼「学会認定の専門医」―の4つの専門医資格が併存することになりそうです。

ただし、この4カテゴリがそのまま広告可能になるわけではなく、厚生労働省の検討会などで「国民への分かりやすさ」という視点に立った検討が改めて行われることになります。



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