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診療報酬改定セミナー2024 看護モニタリング

新専門研修におけるハラスメント等の相談窓口を開設、「研修医」への情報発信も強化―日本専門医機構・寺本理事長

2021.9.22.(水)

ハラスメントが原因の可能性がある専門研修プログラム変更が2019年秋以降、約90件にのぼる。日本専門医機構では、ハラスメントの可能性が高いと疑われる施設や診療科に対し、学会等を通じて調査等を行う予定であり、専攻医におかれては「ハラスメントを受けている」などと感じた場合、日本専門医機構の相談窓口に相談してほしい―。

またハラスメントに限らず、専門研修プログラムの変更は2019年秋以降、全体で約700件に及んでおり、少なくない。この背景には「日本専門医機構から臨床研修医(専門研修に入る前の医師)への情報提供が十分でない」部分もあると思われる。日本専門医機構では研修医への情報提供を強化していく―。

日本専門医機構の寺本民生理事長は、9月21日の定例記者会見でこのような考えを明らかにしました。

9月21日に定例記者会見(オンライン会見)に臨んだ日本専門医機構の寺本民生理事長

2年間で700件程度の研修プログラム変更があり、うち90件はハラスメントの疑いも

2018年度から「新専門医制度」が全面スタートしています。従前の専門医制度には「各学会が独自の基準で専門医を認定しているため、国民に分かりにくく、また専門医の質が担保されていない」との批判があったことを踏まえ、日本専門医機構と19の基本領域学会とが共同して研修プログラムを作成し、認定を行う仕組みへと改められました。

新たな専門医資格を取得するためには、▼日本専門医機構・19基本領域学会が作成・認定した研修プログラムを受講し、必要な症例等を経験する▼各基本領域学会が実施する専門医資格試験に合格する▼日本専門医機構から専門医資格を授与される―ことが原則となります。

毎年度1万名近い医師が、新専門医資格取得を目指して研修プログラム受講を開始しますが、その中には「現在、研修を受けているが、別の研修プログラムへ変更できないか」と考える医師(専攻医)もおられます。

例えば、「結婚や出産、育児などでプログラムに沿った研修を継続することができなくなった(あるいはできなくなりそうである)」という相談、「研修プログラムを選択した当初と考え方が変わり、別の道(例えば同じ診療科の異なるプログラム、異なる診療科のプログラムなど)へ行くことを決意した」という相談など、さまざまですが、中には「指導医や教授が高圧的である」などハラスメントの相談も寄せられています。

日本専門医機構には2019年秋から今年(2021年)7月までに約700件の「研修プラグラム変更」に関する相談等が寄せられていますが、そのうち90件程度が「ハラスメントが疑わわれる」ものであることが寺本理事長から明らかにされました。専攻医からの相談に基づく数字であり、実際にハラスメントであるか否かは判明していませんが、寺本理事長は「当初希望に則った研修プログラムを受けられなくなる事態は放置できない」と判断。今後、相談内容に基づき「ある診療科、施設においてハラスメントが存在すると考えられる場合(例えば同じ施設・診療科から複数の研修プログラム変更申請がなされるケースなど)には、施設や基本領域学会等に事実確認等を行っていく考えが明らかにされました。専攻医サイドの言い分のみで何らかの対応を行うことはできないため、詳細な対応方法などは今後、理事会で議論・決定されます。

ハラスメントなどに関する相談は日本専門医機構のホームページからも可能で、寺本理事長は「日本専門医機構が適切に対応していることを専攻医に知っていただき、安心感をもって専門研修を継続してほしい」と述べています。



また、ハラスメントに限らず、ここ2年間程度(専攻医は1万9000名近くになる)の間に、約700件の「研修プログラム変更の相談」がある(ほとんどが相談どおりに研修プログラム変更が行われる)ことについて寺本理事長は「多いと感じている」とコメント。さらに「専攻医になる前の研修医への情報発信が不十分であったと反省している。研修医は、どの研修プログラムを選択すればよいのか相談相手も少ない。日本専門医機構では研修医に対する情報発信を強化していく」との考えも明らかにしています。



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