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新型コロナ重点医療機関等での空床確保、1日当たりICUで30万円超、HCUで21万円超、その他病床で5万円超の補助―厚労省

2020.6.18.(木)

新型コロナウイルス対策の充実に向けた2020年度第2次補正予算が成立しました(6月12日)。医療提供体制の確保等を目指す厚生労働省所管分(一般会計)は3兆8507億円で、その柱は(1)検査体制の充実、感染拡大防止とワクチン・治療薬の開発(2719億円)(2)ウイルスとの長期戦を戦い抜くための医療・福祉の提供体制の確保(2兆7179億円)(3)雇用調整助成金の抜本的拡充をはじめとする生活支援(1兆9835億円)―となっています。

このうち(2)の医療・福祉体制の確保では、1次補正で創設された「新型コロナウイルス感染症緊急包括支援交付金」の抜本的拡充などが行われており、厚労省は6月16日に各種の通知・事務連絡を示し、その内容を解説しています(厚労省のサイトはこちら(令和2年度新型コロナウイルス感染症緊急包括支援交付金(医療分)の交付について)こちら(令和2年度新型コロナウイルス感染症緊急包括支援交付金(医療分)の概要)こちら(新型コロナウイルス感染症緊急包括支援事業(医療分)の実施について))(2次補正予算案の関連記事はこちら、1次補正の関連記事はこちらこちら(緊急包括支援事業の詳細))。

重点医療機関での新型コロナ患者受け入れのための空床確保、手厚く補助

「新型コロナウイルス感染症緊急包括支援交付金」については、次の4つの観点での拡充が行われます。
(A)感染リスクを抱えながら医療を提供する医療従事者への支援(▼新型コロナウイルス感染症対応従事者慰労金の支給▼マスク等の医療用物資の確保・配布)
(B)新型コロナウイルス感染症に対応する医療機関への支援(▼重点医療機関の病床確保や設備整備支援▼診療報酬の特例的な対応▼福祉医療機構の優遇融資拡充)
(C)地域医療の確保に必要な診療を継続する医療機関への支援(▼救急・周産期・小児医療機関の院内感染防止対策▼地域医療機関の感染拡大防止等の支援▼福祉医療機構の優遇融資拡充)
(D)万全な検査体制、ワクチン・治療薬の開発支援(▼地域外来・検査センターの設置▼研修の推進、PCR・抗原検査の実施▼ワクチン・治療薬の開発資金の補助▼ワクチンの生産体制の整備補助)

うち(B)の「重点医療機関の病床確保や設備整備支援」では、重点医療機関(新型コロナウイルス感染症患者専用の病院や病棟を設定する医療機関)等で空床を確保し、新型コロナウイルス感染症患者の受け入れ体制を確保することを目指すものです。空床がなければ新型コロナウイルス感染患者を迅速に受け入れることができませんが、「患者受け入れのための空床確保」とは、すなわち、患者受入れまでは「収入が得られない」こととなり、病院の経営を不安定にしてしまいます。そこで、即座に新型コロナウイルス感染患者を受け入れるために、空床確保への補助を行うものです。

従前の1次補正では、医療機関全般について新型コロナウイルス感染患者を受け入れるベッド確保を補助していますが、「新型コロナウイルス感染患者を重点的に受け入れる施設」として都道府県が指定した医療機関」(重点医療機関等)では、より濃密な対応が求められ、かつ医療機関の負担も大きなことから、補助の額を充実しており、具体的な補助の内容は次のように設定されました(厚労省のサイトはこちら(新型コロナウイルス感染症重点医療機関及び新型コロナウイルス感染症疑い患者受入協力医療機関について)

【補助単価】(1日当たり)
▽重点医療機関・協力医療機関(2次補正で区分を設けてさらに充実)
→ICU:30万1000円、HCU:21万1000円、その他の病床:5万2000円、療養病床である休止病床:1万6000円

▽一般の医療機関
→ICU:9万7000円、重症者・中等症者病床:4万1000円、その他:1万6000円

【補助対象】
▽重点医療機関・協力医療機関、一般の医療機関ともに
→空床および休止病床(受け入れ体制確保のための休床のみ)

【遡及適用】
▽重点医療機関
→「補正成立前に実質的に専用病棟を確保している」と都道府県が認めた医療機関に遡及適用する

▽協力医療機関
→「補正予算成立前に実質的に専用個室病床を確保している」と都道府県が認めた医療機関に遡及適用する



また、「院内感染によって実質的に専用病棟となっている医療機関」については、都道府県が認めた場合には、「遡及して都道府県が認めた期間について、重点医療機関として指定されたもの」と見做されます。

さらに、感染症指定医療機関が重点医療機関として指定された場合には、感染症病床も緊急包括支援事業の病床確保の対象となります。なお、緊急包括支援事業によって「新型コロナウイルス感染症に係る病床確保」を行っている期間は、「医療施設運営費等補助金の対象とはならない」ことが明確化されています(補助の重複を避ける)(厚労省のサイトはこちら(新型コロナウイルス感染症緊急包括支援事業に関するQ&A(第2版)について))。

重点医療機関における空床確保等を補助、その1(新型コロナ緊急包括支援事業の拡充1 200616)

重点医療機関における空床確保等を補助、その2(新型コロナ緊急包括支援事業の拡充2 200616)



また、重点医療機関において高度医療が十分に確保されるよう、▼超音波画像診断装置(1台当たり1100万円を上限)▼血液浄化装置(1台当たり660万円を上限)気管支鏡(1台当たり550万円を上限)▼CT撮影装置等(画像診断支援プログラムを含む)(1台当たり6600万円を上限)▼生体情報モニタ(1台当たり110万円)▼分娩監視装置(1台当たり220万円を上限)▼新生児モニタ(1台当たり110万円)―の設備整備費について補助が行われます(厚労省のサイトはこちら(新型コロナウイルス感染症緊急包括支援事業(医療分)の実施に当たっての取扱いについて))。

救急医療や周産期・小児医療を確保するため、100床当たり1000万円等を支援

一方、(C)の「救急・周産期・小児医療機関の院内感染防止対策」では、新型コロナウイルス感染症が蔓延する中でも、必要な地域医療提供体制の確保を目指すものです。例えば、救急患者において発熱や咳などの症状がある場合、「新型コロナウイルス感染の疑いがある。自院では感染防止対策が必ずしも十分でなく、当該患者を受け入れることは難しい」として搬送受け入れを躊躇する救急医療機関も少なくありません。こうした事態を放置することはできないため、新型コロナウイルス感染が疑われても、迅速な患者受け入れが可能となるよう、必要な設備整備の補助を行うとともに、感染防止対策等の経費に対する支援金を支給するものです。具体的な支援内容は次のようなっています。

【支援対象】
「新型コロナ疑い患者の診療を行う医療機関」として都道府県で調整・登録された▼救命救急センター▼二次救急医療機関▼周産期母子医療センター▼小児中核病院▼小児地域医療センター▼小児地域支援病院等―

【補助対象となる設備】
▼初度設備費(1床当たり13万3000円を上限)▼簡易陰圧装置(1床当たり432万円を上限)▼簡易ベッド(1台当たり5万1400円を上限)▼簡易診察室(テントやプレハブなど簡易な構造をもち、緊急的かつ一時的に設置するもので、新型コロナウイルス感染症患者等に外来診療を行う診療室、実費相当額)▼HEPAフィルター付き空気清浄機(陰圧対応可能なものに限る、1施設当たり90万5000円を上限)▼HEPAフィルター付きパーテーション(1台当たり20万5000円を上限)▼個人防護具(1人当たり3600円を上限)▼消毒経費(実費相当額)▼救急医療機関で新型コロナウイルス感染症疑い患者の診療に要する備品(1施設当たり30万円を上限)▼周産期医療・小児医療機関で新型コロナウイルス感染症疑い患者に使用する保育器(1台当たり150万円を上限)―など(厚労省のサイトはこちら(新型コロナウイルス感染症緊急包括支援事業(医療分)の実施に当たっての取扱いについて)

【支援金】
新型コロナウイルス感染拡大防止対策や診療体制確保等に要する費用について、▼99床以下:2000万円▼100床以上:3000万円(100床ごとに1000万円を追加し、新型コロナウイルス患者の入院受け入れ医療機関にはさらに1000万円を加算)―を上限として、実費を補助する(厚労省のサイトはこちら(新型コロナウイルス感染症緊急包括支援事業(医療分)の実施に当たっての取扱いについて)

一般の病院、診療所、薬局、訪看ST等ので感染防止対策に係る費用を補助

さらに(C)の「地域医療機関の感染拡大防止等の支援」では、病院・診療所・薬局・訪問看護ステーション・助産所を対象に、▼共用部分の定期的・頻回な清拭・消毒等の環境整備▼予約診療の拡大や整理券の配布等▼発熱等のある新型コロナウイルス感染疑い患者と、その他の患者が混在しないような動線の確保やレイアウト変更など▼電話や情報通信機器を用いた診療体制の確保▼医療従事者の院内感染防止対策(研修、健康管理等)―の実費を次の額を上限として補助します。ただし、上述した「救急・周産期・小児医療機関の院内感染防止対策」との重複受給はできません。

▽病院:200万円+5万円×病床数
▽有床診療所(医科・歯科):200万円
▽無床診療所(医科・歯科):100万円
▽薬局、訪問看護ステーション、助産所:70万円

医療機関等から都道府県に対し、上記の感染拡大防止等に係る費用の見込み額(2020年4月1日から2021年3月31日)を申請して支援金の交付を受け、事業実施後に領収書提出による精算(支給額よりも実施額が少なければ返還)を行います。また既に感染防止対策等の事業を完了している場合には、実際に要した費用を申請することになります(厚労省のサイトはこちら(新型コロナウイルス感染症緊急包括支援事業(医療分)のうち医療機関・薬局等における感染拡大防止等支援事業の実施について))。

福祉医療機構の優遇融資、上限額や無利子枠、無担保枠を拡充

また、福祉医療機構の優遇融資については、▼貸付限度額の拡充(「病院7億2000円、老人保健施設1億円、診療所4000万円」または「当該医療機関の前年同月からの減収の12か月分」のいずれか高い方とする」▼無利子枠の拡充▼無担保融資枠の拡充―などが行われます。

WAMの優遇融資を拡充(新型コロナ緊急包括支援事業の拡充3 200616)

新型コロナに対応する医療従事者に5-20万円の慰労金

なお、(A)の慰労金は、▼都道府県から役割を設定され、実際に、新型コロナウイルス感染症患者に診療等を行った医療機関等に勤務し、患者と接する医療従事者や職員:20万円▼都道府県から役割を設定されたが、新型コロナウイルス感染症患者への診療等は行っていない医療機関等に勤務する医療従事者や職員:10万円▼その他病院、診療所、訪問看護ステーション、助産所に勤務し患者と接する医療従事者や職員:5万円―を支給するものです。

医療従事者等が勤務先の医療機関等に「代理受領」の委任を行い、委任を受けた医療機関が都道府県に慰労金の給付申請を行う形で検討が進められています(厚労省のサイトはこちら(新型コロナウイルス感染症緊急包括支援事業(医療分)のうち 新型コロナウイルス感染症対応従事者慰労金交付事業の実施について))。

医療従事者への慰労金(新型コロナ緊急包括支援事業の拡充4 200616)



ぽんすけ2020

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基礎疾患持つ患者の新型コロナ感染避けるため、電話等による診療・処方、処方箋のFAX送信ルール明確化―厚労省
公立病院における新型コロナ感染症への医療提供体制の充実を要請―高市総務相
「互いに手を伸ばせば届く距離で、多くの人が会話等で一定時間以上続く」環境が新型コロナ感染リスクを高める―厚労省専門家会議
新型ウイルス感染拡大防止に向け、イベント開催の必要性検討、「社員等が休みやすい環境」整備を―加藤厚労相
新型コロナウイルス感染に関する相談者・受診者増に対応するため、相談センターや特別外来の体制等充実を
新型コロナウイルス患者等の受け入れ等で診療報酬の施設基準等満たさずとも、当面は変更届け出等は不要―厚労省
37.5度以上の発熱があり入院が必要な肺炎が疑われる患者、新型コロナウイルス検査の実施を―厚労省
37.5度以上発熱が4日以上続く、倦怠感や呼吸困難がある場合は「帰国者・接触者相談センター」に相談を―厚労省
新型コロナウイル患者の入院医療費は「公費負担」とするなど、治療体制を急ぎ整える―首相官邸
新型コロナウイルス関連での外出自粛患者への診療、往診料や訪問診療料の算定可能―厚生労働省
新型コロナウイルス患者、緊急やむを得ない場合には「感染症病床以外の病床」への搬送・入院も可能―厚労省
新型コロナウイルスの感染疑い例診察する特別外来を設置、相談センターから紹介―厚労省
中国武漢市滞在歴のない「新型コロナウイルスの感染患者」、本邦で初確認―厚労省
本邦でも新型コロナウイルスの感染患者、中国武漢市の滞在歴―厚労省
SARS、MERSと異なる病原体不明肺炎が中国で発生―厚労省



新型コロナ対策、まずPCR検査の拡充を進めるべきではないか―日病・相澤会長
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新型コロナで診療縮小等となる医療機関等への優遇貸付拡充、病院では当初5年「1億円まで無利子」で長期運転資金を融資―厚労省・WAM
新型コロナにより事業縮小や閉鎖を余儀なくされる病院や老健施設に資金融資―福祉医療機構



DPC対象病院、「医療の質向上」と「経営の質向上」とを両立―中医協総会

2021年度介護報酬改定、「複数サービスを包括的・総合的に提供する」仕組みを―社保審・介護給付費分科会(1)