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一般国民に「新専門医制度は何か」など理解してもらうことが最重要、国民向けの情報提供を拡充―日本専門医機構・寺本理事長

2022.5.23.(月)

「国民への分かりやすさ」を最重要テーマの1つに据えた新専門医制度であるが、医師でない一般の患者・国民に対して、必ずしも十分に専門医制度の内容や考え方が伝わっていない―。

一般の患者・国民に「専門医制度とは何か」「どういう病気に罹患した場合に、どういう専門医にかかればよいか」などを理解してもらうため、日本専門医機構のホームページにおいて「一般の患者・国民向けの情報(コンテンツ)」を掲載し、順次充実させていく—。

日本専門医機構の寺本民生理事長は、5月23日の定例記者会見で、こういった考えを強調しました。

5月23日のオンライン定例記者会見に臨んだ日本専門医機構の寺本民生理事長

一般患者・国民向けに「専門医とは何か」などの情報をホームページ通じて提供

2018年度から「新専門医制度」が全面スタートしました。従前の専門医制度に対しては「各学会が独自の基準で専門医を認定しており、専門医の乱立による国民に分かりにくくなっている。また質が担保されているのか不明瞭である」などの批判がありました。

そこで、「日本専門医機構と各学会が共同して研修プログラムを作成し、統一した基準で専門医資格の認定を行う」ことや、「▼国民への認知度▼医療現場への浸透度(地域の基幹的病院に診療科として設置されているか)▼学会における教育体制—などを総合的に判断し、質の高いサブスペシャリティ領域を設定する」ことなどにより、「国民への分かりやすさ」「質の担保」を重要な柱とした新専門医制度が2018年度から全面スタートしています。

しかし、新専門医制度の仕組みは複雑であり、医師ではない我々一般国民にはなかなか理解しにくいものであることも事実です。

例えば、「専門医」という言葉から、我々一般国民は「スーパードクター」や「いわゆるゴッドハンドを持つ医師」などと考えてしまいがちです。しかし機構では従前より「専門医とはスーパードクターではない。それぞれの専門領域で、その領域の専門研修を受け、患者から信頼される標準的な医療を提供できる医師である」との考えを示しています。こうした一般国民と医師との間の「ミスマッチ」を放置すれば、円滑で効果的・効率的な医療提供にも支障が出てくる可能性があることから、我々一般国民も含めたすべての人が、「新専門医制度とはどういった仕組みなのか」「どのように医療機関を受診すればよいのか」を正しく理解することが重要となります。

そこで寺本理事長は、▼新専門医制度は、そもそも「国民への分かりやすさ」を念頭に設蹴られた仕組みであり、患者が「どのように専門医を受診すればよいのか」などの道筋を分かりやすく示すことが最も重要である▼基本19領域について新専門医資格を広告することも認められている(徐々にサブスペ領域も広告可能となっていく、関連記事はこちら)—ことなどを踏まえ、「機構ホームページにおいて『一般の患者・国民向けコンテンツ(情報)』を充実していく」方針を決定。

まず「新専門医制度とは何か」「なぜ基本領域・サブスペ領域の2階立ての仕組みとしているのか」「どのように専門医を受診するか」などの点から情報公開し、徐々に「各領域(19基本領域、サブスペ領域)の詳しい紹介」「どのような病気にかかった時に、どのような専門医資格を持つ医師の所属する医療機関を受診すればよいか」などにも拡大される見込みです。こうした情報は、早ければ今月(2022年5月)から公開される予定です。

研修医や専攻医に向けて、機構から能動的・積極的な情報提供・発信も

あわせて寺本理事長は、▼専攻医(新専門医の資格取得に向けた研修を行っている医師)▼研修医(医師免許取得から2年間の臨床研修を行っている医師、臨床研修終了後に「新専門医」資格取得を目指すことになる)▼専門医資格取得者—らに向けた情報提供の拡充を行っていく考えも提示しています。

例えば、2021年度から新専門医制度の中に「臨床研究医コース」が設けられました。次のような枠組みにより、「大学等での臨床教官」等を養成し、我が国の医学水準向上を目指すものです(関連記事はこちらこちらこちら)。

▽通常の専門研修と同様に、臨床研修(初期研修)を修了した医師を対象とし、7年間の臨床研鑽および研究(エフォートの50%以上)に携わる(研修期間は7年間)

▽大学病院等で研鑽する(例えば2年間)中で臨床を学び(主にカリキュラム制となる)、その後、大学院等に進学し、研究に携わる。研究期間中に、First author(主筆)として、SCI(Science Citation Index)論文を2本以上執筆する義務を負う(case reportは除く)

▽研修修了後は、大学等で臨床教官となることなどが考えられる

▽研修期間中は、身分保障がなされ、所属大学病院や大学院等の規定に沿った給与支給を受けられる

臨床研修医コースの概要1(医師専門研修部会1 200717)

臨床研修医コースの概要2(医師専門研修部会2 200717)



「7年間の身分保障」を受けられるなどの大きなメリットがあることから「研修医からの応募が相当数あるのではないか」と予想されましたが、この予想に反して応募数は定員(現時点では40名、将来的に拡大していく方針)を大きく下回っています(21年度は26名、22年度は19名、関連記事はこちら)。



寺本理事長は、こうした状況について「研修医を含めた医師への情報提供が十分ではないことも大きな原因の1つではないか」と分析。今後、ホームページ創設・拡充のような「受動的な情報提供」にとどまらず、「情報の受け手である医師に積極的に働きかける仕組み」を構築し、稼働させていく考えを強調しています(例えば、すでに専門研修の統括責任者2000名程度に対する情報配信を行っている)。

あわせて寺本理事長は「情報を日本専門医機構から発信するために、研修医らには『メールアドレス等の早期登録』を呼び掛けている」ことなども紹介しています。



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