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地域医療構想・医師偏在対策・医師働き方改革は相互に「連環」している―厚労省・吉田医政局長

2019.1.18.(金)

 「地域医療構想」「医師偏在対策」「医師の働き方改革」は、別個の施策ではあるが、それぞれが「連環」している。ゆえに、どれか1つの施策でも順調に進まなければ、他の施策も進まなくなってしまう―。

 1月18日に開催された2018年度の「全国厚生労働関係部局長会議」において、厚生労働省医政局の吉田学局長は、こう強調しました。

1月18日に開催された「平成30年度 全国厚生労働関係部局長会議」で厚労省医政局の重点事項について説明する吉田学局長

1月18日に開催された「平成30年度 全国厚生労働関係部局長会議」で厚労省医政局の重点事項について説明する吉田学局長

 
 全国厚生労働関係部局長会議は、厚労省幹部から、次年度(今回は2019年度)における厚生労働行政の重要事項を、都道府県等の保健福祉担当者に情報共有する場です。

ある施策の進捗が遅れれば、他の施策の進捗に影響が出てしまう

 医療提供体制の確保に関しては、医療計画の策定をはじめとして都道府県が大きな役割を担い、特に次の3点が最重要事項として掲げられています。
▽地域医療構想の実現
▽医師の地域偏在対策
▽医師の働き方改革

 少子高齢化が進行し医療従事者の確保などが困難になる中で、良質な医療サービスを確保するために、「医療提供体制改革」が重要テーマとなっています。より効果的・効率的な医療を提供するために、地域において「2025年における医療ニーズ」を勘案し、▼高度急性期▼急性期▼回復期▼慢性期等―の必要病床数(病床の必要量)などを定める「地域医療構想」が策定され、現在、その実現に向けて、地域医療構想調整会議等での議論が進められています。

地域医療構想の実現に向けた「当面の重点事項」としては、本年度(2018年度)中に「すべての公立・公的医療機関等の具体的対応方針(担うべき機能や病床数など)について、地域医療構想調整会議で合意形成する」ことがあげられます(関連記事はこちらこちらこちらこちらこちら)。
地域医療構想ワーキング1 181026
 
 
また、医師の地域偏在対策については昨年(2018年)の改正医療法・医師法において、▼医師少数区域等で勤務した医師を評価する制度(将来、地域医療支援病院等の院長要件とするなど)の創設▼都道府県における医師確保対策の実施体制の強化(新たな「医師偏在指標」に基づいて、地域の医師確保状況を「見える化」し、医師多数地域から医師少数地域への派遣等を促進する)▼医師養成過程を通じた医師確保対策の充実(都道府県知事から大学医学部へ「地域枠」「地元枠」などの創設を要請する権限を付与するなど)▼地域の外来医療機能の偏在・不足等への対応(地域の外来医師配置状況を「見える化」するなど)―といった対策がとられます。

現在、厚労省の「医師需給分科会」で、新たな医師偏在指標の策定などが進められており、2019年度中に各都道府県で「医師確保計画」(医療計画に包含される)を策定し、2020年度から実施することになります(関連記事はこちらこちらこちらこちらこちらこちらこちら)。
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医師需給分科会(2)の1 181024

 
また医師の働き方改革については、一般労働者と異なる「医療の特殊性を踏まえた時間外労働上限」等を定め、これを2024年4月からスタートさせる(上限超過の場合には、院長等の管理者に罰則が科せられる)ことになります。あわせて、それまでの間に、医師から他職種へのタスク・シフティング(業務移管)やマネジメント改革を進めて、医師の労働時間そのものの短縮化を図るとともに、「研鑽と労働の切り分け」「新たな宿日直許可基準の制定」なども進められます(関連記事はこちらこちらこちら)。

「医療の特殊性を踏まえた時間外労働上限」については、一般の勤務医については「年960時間・月100時間未満」とし、救急医療など地域医療の確保などに欠かせない医療機関については「年1900-2000時間程度以内」とすしてはどうか、との提案が厚労省からなされていますが、賛否両論があり、現在、調整が進められています(関連記事はこちらこちらこちら)。
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医師働き方改革検討会1 190111
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また、医療機関等に勤務する「医師以外の医療従事者」(看護師や理学療法士など)、「事務職員」などには、今年(2019年)4月から、新たな「時間外労働の上限」(平日:月45時間・年360時間まで、臨時的な必要がある場合:年6か月に限り休日込みで月100時間かつ年720時間まで)が適用され、これを超過する場合には、やはり院長等の管理者に罰則が科せられることになります。

 
吉田医政局長は、これら3重要施策(地域医療構想・医師偏在対策・医師働き方改革)がそれぞれ「連環」しており、どれか1つの施策でも進捗が遅れれば、他の施策も進まなくなってしまう、と指摘。

例えば、「地域医療構想の実現」が遅れれば、「どの医療機関がどういった機能を担い、そこではベッドを何床確保するのか」などが明確になりません。これは、「地域で必要な医師数」把握に大きな影響を及ぼします(つまり「偏在対策」が遅れる)。さらに、医師の労働量は「医療機関における医師数の多寡」とも大きく関連するため、「医師の働き方改革」が遅れることにもつながります。

一方、「医師の働き方改革」の重要項目であるタスク・シフティング等が遅れれば、「地域で必要な医師数」が明確にならず(把握に影響が生じる)、これは「地域医療構想の実現」論議を遅らせる原因にもなります。

このため吉田医政局長は、都道府県に対し「各施策の適切な進捗管理を行う」よう強く要望しました。

もちろん、都道府県のみでこれら3施策を円滑に進めることが困難な場面も出てくることから、厚労省が、すでになされているデータ提供等に加え、「企画立案や総合調整を行う人材」育成などで都道府県を支援していきます。さらに吉田医政局長は、都道府県が自ら、地域の有識者(大学やシンクタンクの研究者や実務家)などを把握し、協力を得ることで「地域の総合力を高める」ことが重要になると吉田医政局長はコメントしています(関連記事はこちら)。

 
 

 

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骨太方針2018を閣議決定、公的・公立病院の再編統合、病床のダウンサイジング進めよ

「合併後に自分の居場所がなくてもよい」キーマンがそう思えるか否かが合併の鍵-日本海総合病院