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検査料が包括される入院・入院外等でも「新型コロナの検査料・判断料」は出来高請求可能に―厚労省

2020.6.17.(水)

新型コロナウイルスの院内感染や介護施設等における施設内感染を防止するために、迅速な検査実施が重要となる。このため、検査料が包括評価されている入院料(療養病棟やICU、地域包括ケア病棟など)や入院外の医学管理料(地域包括診療料など)を算定する患者について、PCR検査・抗原検査の検査料と判断料を臨時特例的に出来高請求することを認める―。

また介護老人保健施設・介護医療院の入所者(ショートステイ含む)についても医療機関が新型コロナウイルス検査を実施した場合、PCR検査・抗原検査の検査料と判断料を臨時特例的に出来高請求することを認める―。

厚生労働省は6月15日に事務連絡「新型コロナウイルス感染症に係る診療報酬上の臨時的な取扱いについて(その22)」を示し、こうした点を明確にしました(厚労省のサイトはこちら)。

検査料が包括評価される入院料算定患者、新型コロナの検査料・判断料を出来高請求可

新型コロナウイルス感染症にかかる緊急事態宣言は全都道府県で解除されていますが、一部地域でクラスター(集団感染)が発生し、東京都や北海道などでは依然として新規患者数が一定数いるなど、第2波・第3波への備え(感染拡大防止、医療提供体制確保など)が重要であることに変わりはありません。

感染拡大防止のためには、いわゆる「3つの密(密閉、密集、密接)を避ける」ことを柱とした新たな生活様式への転換が求められています。

後者の医療提供体制に関しては、「感染者の鑑別」や「重症者への入院医療体制確保」が引き続き重要です。厚生労働省の新型コロナウイルス感染症対策専門家会議が、最新のデータ・知見をもとに更新した「新型コロナウイルス感染症対策の状況分析・提言」では、新型コロナウイルスの感染状況が落ち着いてきている「今」こそ、次なる波を見据えて、▼サーベイランス体制の強化▼検査体制の強化▼クラスター対策▼医療提供体制の整備▼治療法・治療薬の開発―などに取り組む必要があり、医療提供体制に関しては「重点医療機関の設定・拡充、宿泊療養施設の確保など『重症度別』に整備を行う必要があること」などが強く指摘されています(関連記事はこちらこちら)。

新型コロナウイルス感染者の鑑別に関しては、3月6日に「PCR検査」(核酸検査)が、5月13日に「抗原検査」が保険適用されています。また医療機関のコスト増に配慮し、DPC病院・特定機能病院においては検査費用(検査実施料・検査判断料の診療報酬点数)が出来高請求可能となっており(関連記事はこちらこちら)、また抗原検査に関しては検査キットの充実によって全国の医療機関等での実施が可能になるなど、「検査体制の充実」が順次進められてきています。

さらに今般の事務連絡では、療養病棟入院基本料を算定する病棟や、特定集中治療室入院医療管理料を算定する病棟など、検査料が入院料に包括評価されている病棟において新型コロナウイルス検査を実施した場合の診療報酬算定などについて明確化が行われています。検査料・判断料の出来高算定を認めることで、迅速な検査を促し、院内感染・施設内感染等の拡大を防止する狙いがあります。



まず、次に掲げる入院基本料・特定入院料を算定する患者では、入院料に検査料が包括評価されています。通常であれば検査料を別途算定することはできませんが、新型コロナウイルス感染の有無を的確に把握し、仮に感染していた場合には適切な対応(当該患者は個室への移送などが必要となり、同室患者や看護職員などは濃厚接触者となるので相応の対応が必要となる)を迅速にとることが求められます。

このため検査に躊躇があってはいけない(院内感染の拡大を招いてしまう)ことから、今般、これらの患者にPCR検査・抗原検査を実施した場合には、別途、▼【SARS-CoV-2(新型コロナウイルス)核酸検出】および微生物学的検査判断料(PCR検査を実施した場合の検査料と判断料)▼【SARS-CoV-2(新型コロナウイルス)抗原検出】および免疫学的検査判断料(抗原検査を実施した場合の検査料と判断料)―を算定できることが明確にされました。

▽療養病棟入院基本料
▽障害者施設等入院基本料(「当該病棟に90日超入院する難病等の特定患者で特定入院料を算定する患者」(注5)、「脳卒中の後遺症で重度の意識障害となっており、療養病棟入院基本料の医療区分に倣って点数算定をする患者」(注6)のみ。)
▽有床診療所療養病床入院基本料
▽救命救急入院料
▽特定集中治療室管理料
▽ハイケアユニット入院医療管理料
▽脳卒中ケアユニット入院医療管理料
▽小児特定集中治療室管理料
▽新生児特定集中治療室管理料
▽総合周産期特定集中治療室管理料
▽新生児治療回復室入院医療管理料
▽特殊疾患入院医療管理料
▽小児入院医療管理料
▽回復期リハビリテーション病棟入院料
▽地域包括ケア病棟入院料
▽特殊疾患病棟入院料
▽緩和ケア病棟入院料
▽精神科救急入院料
▽精神科急性期治療病棟入院料
▽精神科救急・合併症入院料
▽児童・思春期精神科入院医療管理料
▽精神療養病棟入院料
▽認知症治療病棟入院料
▽特定一般病棟入院料
▽地域移行機能強化病棟入院料
▽短期滞在手術等基本料

なお、DPC病院、特定機能病院においては、新型コロナウイルスの検査料・判断料が別途出来高算定できることがすでに明確にされています(関連記事はこちらこちら)。

老健施設・介護医療院の入所者、医療機関による新型コロナ検査費用を請求可能

また、「介護老人保健施設」「介護医療院」の入所者(これら施設で(予防)短期入所療養介護(ショートステイ)を受けている利用者も含む)に対し、医療機関が新型コロナウイルスのPCR検査・抗原検査を実施した場合にも、▼【SARS-CoV-2(新型コロナウイルス)核酸検出】および微生物学的検査判断料(PCR検査を実施した場合の検査料と判断料)▼【SARS-CoV-2(新型コロナウイルス)抗原検出】および免疫学的検査判断料(抗原検査を実施した場合の検査料と判断料)―を算定できることが明確にされました。

介護老人保健施設・介護医療院は、両施設ともに医療法で規定される医療提供施設であり、医師が常駐していることから、基本的に外部からの医療提供はなされません(例外的に一部のみ認められている)。また、施設内で実施された医療行為については、介護報酬で包括評価されています(特別な治療等については介護報酬での加算等で評価される)。

しかし、新型コロナウイルスの施設内感染拡大リスクを低減するために、迅速な検査実施と適切な対応(感染者が発生した場合の医療機関への搬送や、同室入所者・介護職員等の濃厚接触者への対応)が求められることから、今般、医療機関が検査を実施した場合に、検査料・判断料を特別に診療報酬として請求することが認められることになりました。

「地域包括診療料など入院外の包括評価」対象患者でも、新型コロナ検査を出来高実施可

また、入院外において検査料等が包括評価されている診療報酬項目(▼小児科外来診療料▼地域包括診療料▼認知症地域包括診療料▼小児かかりつけ診療料▼生活習慣病管理料▼手術前医学管理料▼在宅がん医療総合診療料―)を算定する患者に対し、新型コロナウイルスのPCR検査・抗原検査を実施した場合にも、▼【SARS-CoV-2(新型コロナウイルス)核酸検出】および微生物学的検査判断料(PCR検査を実施した場合の検査料と判断料)▼【SARS-CoV-2(新型コロナウイルス)抗原検出】および免疫学的検査判断料(抗原検査を実施した場合の検査料と判断料)―を算定できることが示されました。

新型コロナ検査料・判断料について、通常レセプトとは別に「書面」で請求を

上記のように新型コロナウイルスの検査料・判断料を出来高請求する場合には、別途、「書面」で診療報酬を請求します。つまり「通常のレセプト」と「新型コロナウイルスの検査料・判断料のレセプト」の2種類を作成し、後者は書面で提出することになります。

後者の検査のみに係るレセプトには、その摘要欄に▼検査を実施した日時▼検査実施の理由▼本検査が必要と判断した医学的根拠(診断を目的とする場合に限る)▼検査の結果(退院可能かどうかの判断を目的とする場合に限る)▼入院料の種類・施設の種類(老健施設か介護医療院か)・医学管理料の種類―を記載することが必要です。

また、療養の給付及び公費負担医療に関する費用の請求に関する省令」では、書面請求を行う場合には、「あらかじめ、その旨を当該請求に係る審査支払機関に届け出なければならない」(第7条第1項)「とされていますが、今般の臨時特例措置では、この届け出は不要となります。



なお、検査に係る患者負担(医療機関の窓口負担)は、行政検査として行われる場合(この場合には医療機関と都道府県との間で契約が必要)「公費で補助」が行われます(検査の実施・判断に係る患者の自己負担は発生しない)。



ぽんすけ2020

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