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人工呼吸器回路の「吸気側」と「呼気側」を逆に接続してしまう医療事故が散発、患者に装着する前に再確認を—医療機能評価機構

2023.11.17.(金)

人工呼吸器の回路の「吸気側」と「呼気側」を逆に接続してしまった—。

日本医療機能評価機構が11月15日に公表した「医療安全情報 No.204」から、こうした事例(医療事故)が依然として発生しており、2019年1月1日から本末(2023年)9月末までの間に8件件報告されていることが分かりました(機構のサイトはこちら)。

人工呼吸器回路の接続口に「吸気口」と「呼気口」のテープを貼るなどの工夫も重要

日本医療機能評価機は、全国の医療機関から医療事故やヒヤリ・ハット事例(事故には至らなかったものの担当医療スタッフ等が「ヒヤリ」とした、「ハッ」とした事例)の報告を受け、背景等を詳しく分析して「事故等の再発防止に向けた提言」等を定期的に行っています【医療事故情報収集等事業】(国立病院や特定機能病院などでは事故等の報告が義務付けられている、本年(2023)年4―6月を対象とした第74回報告書に関する記事はこちら)。

さらに事故事例などの中から「特段の注意が必要と考えられる事例」(繰り返し発生している医療事故など)を毎月ピックアップ。簡潔に整理し「医療安全情報」として公表しています。医療現場に「こうした事故が頻発しているので最大限の注意を払ってほしい」と強く呼びかけるものです。

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11月15日に公表された「医療安全情報No.204」では、「人工呼吸器の吸気側と呼気側の 回路接続間違い」事例がテーマに取り上げられました。

ある病院の新生児集中治療室(NICU)で、臨床工学技士が人工呼吸器の回路を組み立て、看護師が人工呼吸器をベッドサイドに準備しました。帝王切開で生まれた患児が入室後、医師は人工呼吸管理を開始。翌日、一酸化窒素を投与しましたが、呼気中の一酸化窒素濃度が上昇せず、酸素化の改善が認められませんでした。臨床工学技士が確認したところ「吸気側と呼気側の回路が逆に接続されている」ことに気付きました。

人工呼吸器回路の「吸気側」と「呼気側」を逆に接続してしまう医療事故が散発(医療安全情報204 231115)



また別の病院で、患児に人工呼吸管理を行っていたところ、人工呼吸器の加温加湿器の温度低下アラームが鳴ったため確認。口元の温度が34度を示していました。医師と看護師は温度センサーを交換してみましたが、温度は上昇せず、臨床工学技士が確認したところ「吸気側と呼気側の回路が逆に接続」されており、加温・加湿されていないことが分かりました。



人工呼吸器の回路を正しく接続しなければ、当然、適切な呼吸管理を行うことはできません。機構では、例えば▼人工呼吸器回路の接続口に「吸気口」と「呼気口」のテープを貼り、誤接続防止を図る▼人工呼吸器の回路を患者に接続する前に、吸気側と呼気側の回路をたどって正しく組み立てられていることを確認する—などの取り組みを行うよう呼び掛けています。



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