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患者を全人的・総合的に診療する「総合診療専門医」、国民の認知度を高めることで「総合診療専門医を志す医師」の増加に期待―日本専門医機構

2024.6.25.(火)

新専門医制度では「患者を全人的・総合的に診療する総合診療専門医」の養成を進めており、徐々に応募者も増えているが十分とは言えない。国民の認知度を高めることで「総合診療専門医を志す医師」が増加することに期待したい—。

日本専門医機構の渡辺毅理事長(地域医療振興協会東京北医療センター顧問、福島県立医科大学名誉教授)は、6月24日の記者会見でこうした報告を行いました。なお、近く執行部の改選が行われることを踏まえ、渡辺理事長は次期執行部で「サブルスペシャリティ領域、シーリング(領域別・地域別の専攻医採用数上限)、地域枠などについてさらなる検討を行ってほしい」と注文しています。

若手医師はメジャー診療領域を志望しがち、総合診療領域の国民的認知度向上を狙う

2018年度から「新専門医制度」が全面スタートしました。従前の「専門医が乱立して分かりにくい」「専門医の質が担保されているのか疑問である」という批判に応えるため、新たな専門医資格を取得するためには、▼日本専門医機構・19基本領域学会が作成・認定した研修プログラムを受講し、必要な症例等を経験する▼各基本領域学会が実施する専門医資格試験に合格する▼日本専門医機構から専門医資格を授与される―ことが原則となります。

新専門医制度は、「19の基本領域」を1階部分とし、ここに2階部分として「サブスペ領域」が乗る形となっています。

新専門医制度の大枠(医療情報提供内容検討会(1)1 210624)



この19の基本領域の中には、担当学会が定まっている18領域(外科、内科等)のほか、専門医機構が担当する「総合診療専門医」があります。名称どおり「患者を総合的に、全人的に診療する能力を持つ専門医」資格です。当初は100名未満の応募にとどまっていましたが、現在は300名を超える応募があるなど、徐々に「総合診療専門医を志す医師」が増えてきています。

ただし、「我が国のプライマリケアをすべて担える人数」の養成にまでは至っていません(もっとも我が国のプライマリケアニーズをすべて総合診療専門医が担当するわけではなく、他の専門領域を持つ医師と連携して担当していくことは述べるまでもない)。この点について専門医機構では、例えば「総合診療専門医に魅力を感じる若手医師がいても、周囲に相談したときに『総合診療専門医とは何か?外科や内科の専門医は聞いたことがあるが・・・』との反応が返ってくると、『メジャーな外科や内科などの専門医資格を取得したほうが良いので』と考えるケースもあり、思うように総合診療専門医の応募者が急増しくれない部分もある」と分析。

そこで今般、「国民に、総合診療専門医とはどのような医師なのか」をPRするためのサイト(ホームページ)を開設したことが報告されました。

●日本専門医機構・総合診療専門医検討委員会の「総合診療医とはどのようなな医師なのか」を一般国民に開設するサイト

医療に詳しくない人にも馴染みやすいように漫画も活用し、▼総合診療専門医とはどのような医師か▼総合診療専門医の存在で患者にどのようなメリットがあるのか▼総合診療専門医はどのように患者に対応してくれるのか▼総合診療専門医は、どのようにして患者を全人的・総合的に診る知識・技術を身につけているのか▼なぜ総合診療専門医の養成が求められているのか▼総合診療専門医の実像はどのようなものか—などを紹介しています。

総合診療専門医とはどのような医師七日、漫画で分かりやすく解説



あわせて総合診療専門医はどの医療機関に勤務しているのかを検索できる機能も付与しています。

総合診療専門医がどの医療機関に財政しているのかの検索も一定程度可能



総合診療専門医の認知度が一般国民の間でも上がることで、「総合診療専門医を目指す若手医師が増える」ことに専門医機構は期待を寄せています。



病院ダッシュボードχ 病床機能報告MW_GHC_logo

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新専門医制度、東京で専攻医多いが、近隣県を広くカバーする見込み―日本専門医機構
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新専門医制度のサブスペシャリティ領域、国民目線に立ち「抑制的」に認証すべき―四病協

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