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GemMed塾 病院ダッシュボードχ 病床機能報告

インフル・新型コロナの並走踏まえ、10月から「まず、かかりつけ医等に電話相談する」体制に移行—厚労省

2020.9.7.(月)

今後、季節性インフルエンザと新型コロナウイルスとが「並走」することとなる。両者に適切に対応するために、この10月から、従前の「帰国者・接触者相談センターから、帰国者・接触者外来や地域外来・地域外来・検査センターを案内する」医療提供体制から、「帰国者・接触者相談センターを介することなく、かかりつけ医等にまず電話等で相談し、地域で身近な医療機関等を相談・受診し、必要に応じて検査を受けられる」医療提供体制へ転換する—。

厚生労働省は9月4日に事務連絡「次のインフルエンザ流行に備えた体制整備について」を示し、こうした点への留意を求めました(厚労省のサイトはこちら(事務連絡)こちら(参考資料))。

季節性インフルエンザと新型コロナウイルス感染症との並走を踏まえた医療提供体制

帰国者・接触者相談センターを介さずに、発熱患者はかかりつけ医等に相談を

新型コロナウイルス感染症の新規患者が7月中旬から再び増加しはじめ、東京都や大阪府などの大都市部だけでなく、沖縄県などの地方でも過去最多の新規感染者が確認されています。増加のペースは7月末をピークに鈍化していますが、秋冬に再燃する可能性も高く、「感染拡大防止策の徹底」や「医療提供体制の確保」などが依然として非常に重要な点に変化はありません。

ところで、例年、秋冬には季節性のインフルエンザが流行します。新型コロウイルス感染症と季節性インフルエンザとは、臨床症状も類似しており(臨床症状での鑑別は困難)、両者の流行を踏まえた医療提供体制の構築が求められます。

今般の事務連絡では、各都道府県に対し、次のような▼検査体制▼医療提供体制—の整備を「10月中を目途」に完了するよう求めています。

●基本的な方向性

(1)地域の実情に応じて、多くの医療機関で発熱患者等を相談・診療・検査できる体制を整備する
(2)インフルエンザワクチンの供給量を確保しつつ、効率的なワクチン接種を推進する
(3)「新しい生活様式」をはじめとする感染症対策を推進する(いわゆる3密(密閉、密集、密接)の回避や手洗いの励行など)



このうち(1)の「相談・診療・検査できる体制」に関しては、まず、これまでの「帰国者・接触者相談センター → 帰国者・接触者外来や地域外来・地域外来・検査センター」中心の検査体制から、「帰国者・接触者相談センターを介することなく、かかりつけ医等にまず電話等で相談し、地域で身近な医療機関等を相談・受診し、必要に応じて検査を受けられる体制」へ転換する考えを示しています。季節性インフルエンザと新型コロナウイルス感染症とが「並走」することとなり、発熱症状等のある患者が激増すると予想され、従前の体制では検査ニーズに応えることが難しくなるためです。

そこで、厚労省は既存の帰国者・接触者外来等も含め、発熱患者等の診療・検査を行う医療機関を「診療・検査医療機関(仮称)」として指定し、速やかに増やすことを求めています。

指定に当たっては、「各医療機関における相談、診療・検査が対応可能な時間帯」(例えば、「相談はいつでも受付可能だが、診察・検査可能な時間帯は午前中のみである」など)を把握し、「医療機関の一覧表」などを作成しておくことが重要です(後述するように「受診・相談センター(仮称)」による相談対応が可能となる)。

また、「相談から診療・検査までの一連の対応を1つの医療機関で実施可能とする」体制が望ましいとの考えを示した上で、「自院での診療・検査が困難な医療機関でも、患者の相談を受けて、上述した『診療・検査医療機関(仮称)』や『地域外来・検査センター』を案内する」という体制を組むことなども検討することを求めています(地域の状況を踏まえた役割分担の検討も重要)。



あわせて、検査等に係るキャパシティを拡大するために、次のような点にも留意することが求められます。厚労省は、2013-16年度における1シーズンの季節性インフルエンザの検査件数が「2000万-3000万件」という参考値を示しています。

▼地域外来・検査センターの設置促進(「地域外来・検査センターが地域の主な検査体制を担う」体制とする場合には、少なくとも2次医療圏に複数の地域外来・検査センター設置が必要)
▼各地域外来・検査センターにおける対応能力向上に向けた人材確保・体制の整備
▼電話・オンライン診療によって発熱患者等を診療する体制の検討

帰国者・接触者相談センターは、「相談先に迷う患者」の相談を受ける機能に転換

上記のような相談・検査・診療体制を整備した場合、帰国者・接触者相談センターの機能は、従前の「患者の相談を受け、帰国者・接触者外来を紹介する」という機能から、「急に症状が悪化して夜間・休日に受診可能な医療機関を探す場合のように、住民が相談する医療機関に迷った場合の相談を受ける」という機能への転換が求められます(名称も「受診・相談センター(仮称)」へ改称)。

こうした機能を発揮するために、「受診・相談センター(仮称)」では、地域における▼診療・検査医療機関(仮称)▼地域外来・検査センター—について、場所や対応可能時間などを十分に把握しておくことなどが重要となります。

地域の医療機関で役割分担を推進

また、上記のような相談・検査・診療体制には、多くの地域医療機関が参画することから、「役割分担」を予め決めておくことが重要となるため、厚労省は次のような考え方を例示しています。

▼「感染症指定医療機関」や「地域の基幹病院」などは、「疑い患者の診察・検査を担う医療機関」が十分に増加した後は、新型コロナウイルス感染症患者の入院治療等に専念する

▼地域外来・検査センターは、地域の診療所等の相談・診療・検査体制確保とのバランスを勘案して、今後の体制を検討する

▼重症化しやすい基礎疾患を有する患者が来院する「がんセンター」「透析医療機関」「産科医療機関」などや、重症者を多数受け入れる見込みのある「感染症指定医療機関」など、その本来の医療機能を維持する必要のある医療機関などでは、「発熱患者等 の診療・検査を積極的には行わない医療機関」とする(必要に応じてその旨を住民へ周知する)

▼帰国者・接触者外来や地域外来・検査センターは、積極的疫学調査による濃厚接触者等に対する検査も担っていることも多い。地域における外来診療の医療機関間の役割分担を見直す再には、濃厚接触者等に対する検査を担う医療機関の確保も同時に行う

住民に「発熱等がある場合には、まず身近なかかりつけ医等に電話で相談する」ことを周知

こうした相談・検査・診療体制は、地域住民に十分知れ渡らなければ画餅に帰してしまいます。そこで、各都道府県等では「10月以降における、発熱患者等の医療機関の相談・受診方法」について十分に広報することが必要です。

次のような点が、とりわけ重要な情報となります。

▼発熱等の症状が生じた場合には、まずは「かかりつけ医」などの身近な医療機関に電話相談し、「どの医療機関を受診すればよいか」「どのタイミングで受診すればよいか」の指示を受ける

▼相談する医療機関に迷った場合には、「受診・相談センター(仮称)」に電話相談する

▼「発熱等を伴う受診」の際は、事前に電話予約の上で受診する(院内感染防止ために非常に重要である)

このためには、電話相談を受けた医療機関や受診・相談センター(仮称)が、適切な医療機関を案内できるように、「診療・検査医療機関(仮称)」や「地域外来・検査センター」に関する情報を十分に関係者間で共有しておくことが重要です。

また、「診療・検査医療機関(仮称)」を公表する場合には、自治体のホームページなどで、その医療機関と対応可能時間なども併せて公表し、患者が円滑に医療機関を受診できるような方策を講じることが求められます。

地域の医療機関においても「感染防止対策」の徹底が重要

地域の医療機関で発熱等患者を受診する場合には、感染防止対策の徹底が求められます。厚労省は次のような基本的な留意事項を再確認しています。

医療機関の診察室「外」での診療・検査を行う(医療機関の駐車場において患者が自家用車等に乗った状態で診療・検査を行う、駐車場等にプレハブや簡易テントを設置した上で、診療・検査を行う、など)

▼建物外の診察・検査スペースを用意できず、診察室や待合室等を発熱患者等とそれ以外の患者で区分けすることができない場合等は、他の患者との「時間的な分離」を行う(診察時間のうちの一部の時間帯を発熱等疑い患者の診察時間に設定する、地域の複数の診療所で輪番制を組んで、曜日単位等で発熱患者等の診察をする医療機関を設定する、など)

▼鼻咽頭拭い液や唾液など、採取する検体の種類によって必要な個人防護具の考え方が異なることなどから、日本感染症学会提言「今冬のインフルエンザとCOIVD-19に備えて」などを参考に、検査を進める



なお、患者が発熱や上気道症状を有しているということのみを理由に、当該患者の診療を拒否することはできません(応召義務違反)。ただし、感染防護具等が確保できない等の理由により診療が困難である場合には、少なくとも「診療可能な医療機関」への受診勧奨が必要です(単に「発熱者お断り」等と掲示して、発熱患者等の診療を拒否することはできない)。

感染防止に向けた個人防護具については、「国からの配付」が予定されています(別途、事務連絡などが示される)。

また、新型コロナウイルス感染症に係る検査結果が「陽性」であった場合には、医師は、保健所等と連携して「療養先の決定」「移動」「自宅療養・宿泊療養の場合の健康管理」などを支援し、また診断が確定しない場合には、「偽陰性などの各種検査の限界等を説明する」「症状が持続した場合の再診のタイミング・方法や家庭内の感染拡大防止策について指導する」ことなどが求められます。

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新型コロナ核酸検査、全身麻酔・局所麻酔管理下の外科手術症例に保険適用を拡大せよ―日本外科学会
新型コロナ感染疑いでも、「生命が危険な状態にある」などの救急患者は速やかな受け入れを―厚労省
新型コロナ重症者受け入れた場合、救命救急入院料や特定集中治療室管理料を2倍+αに―中医協・総会
新型コロナ重症者対応、臨時に「ICU点数増」「ICU以外での特定集中治療室管理料等算定」など認めよ―集中治療医学会・救急医学会・日病
新型コロナ対策、看護職への危険手当と代替職員確保を実施せよ―日看協
がん患者、透析患者、妊産婦や小児などが新型コロナに感染した場合の医療提供体制を早急に整備―厚労省
サージカルマスクやゴーグルなどの防護具、洗浄・消毒のうえ同一品を複数患者診察等に再利用可能―厚労省
新型コロナ対策、地域の医療提供体制や緊急性など総合的に判断し「予定手術の延期」考慮を―日本外科学会
新型コロナ感染・疑い患者への外来診療を評価する【院内トリアージ実施料】、再来患者でも算定可―厚労省
新型コロナで全国の病院外来制限10.4%、停止0.8%、通常稼働は病院外来88.8%、病院入院91.2%―厚労省・内閣官房
新型コロナ対応、N95マスクは滅菌により2回までの再利用等が可能―厚労省
新型コロナで入院するまでの「自宅待機者」にも医療的フォローアップを、宿泊・自宅療養では感染拡大防止策徹底を―厚労省
新型コロナ対策、臨時特例的に電話等での初診を認め、214点に設定―厚労省
新型コロナ検査の保険適用に関し、新たな全自動検査機器を4月7日から保険適用―厚労省
新型コロナ軽症等患者の宿泊療養、急性増悪の可能性あり「SpO2低下」に注意を―厚労省
新型コロナ対策、病床確保や人工呼吸器・ECMO整備費等を支援する「新型コロナウイルス感染症緊急包括支援交付金」創設―2020年度補正予算案
新型コロナ対応に医療資源を重点化するため、白内障や低悪性度がん手術などは「延期」要請を―厚労省
新型コロナ緊急事態宣言の実効性高めるため、医療物資調達や感染患者受け入れる医療機関への財政支援を―全国知事会
新型コロナ対策で総額108兆円超の緊急経済対策、病床や人工呼吸器・ECMOの確保、オンライン診療の臨時拡大など推進
新型コロナ対策の基本的対処方針を緊急事態宣言踏まえ改訂、「3つの密」を避け、医療提供体制を強化
新型コロナ疑い患者の外来診療で【院内トリアージ実施料】、新型コロナ感染患者の入院医療で【救急医療管理加算】等の算定認める―中医協総会
新型コロナへのBCG有効性は未確認、ゼロ歳時へのBCG接種に問題が生じないよう優先供給を―小児科学会・ワクチン学会
新型コロナ軽症者等の宿泊療養でホテル代・食事代は不要、宿泊・自宅療養のいずれも医療従事者が健康管理―厚労省
新型コロナウイルス感染症、高齢者やLDH高値者で生存率低く、出血合併症に留意したECMO早期実施が重要
日本集中治療医学会と日本麻酔科学会が共同し、新型コロナ患者管理の情報共有や呼吸不全患者管理トレーニング、ICU飽和状態対策など推進
医療機関スタッフが新型コロナ感染等で出勤できず、一時的に施設基準を満たせずとも、変更届を行わず従前の診療報酬を算定して良い―厚労省
新型コロナ検査の保険適用に関し、検査キット等の考えを2020年度改定の中で明確化―厚労省
新型コロナ陽性でも、軽症者・無症状者は「宿泊療養・自宅療養」の対象に―厚労省
新型コロナ感染防止のため、臨時・特例的に「初診からのオンライン診療」認める―オンライン診療指針見直し検討会
新型コロナウイルスを迅速に検出する機器、国立国際医療研究センター病院など16施設に配置―経産省
医療従事者の新型コロナ感染、必要性を認めた場合には積極的に検査実施を―厚労省
新型コロナ検査の保険適用に関し、体外診断用医薬品や検査キット等の考えをさらに明確化―厚労省
新型コロナ感染防止のための電話等用いた診療、「情報通信機器を用いる医学管理料」算定の考え明確化―厚労省
新型コロナウイルス検査の保険適用踏まえ、検査キット等の考えをさらに明確化―厚労省
各都道府県で「新型コロナウイルス感染症患者を重点的に受け入れる医療機関」設定など早急に進めよ―厚労省

各都道府県に「新型コロナ感染患者の診療拠点となる公立・公的病院」を設置せよ―四病協
新型コロナ対策の臨時特例的なオンライン診療の拡大、診療報酬上も「柔軟な対応」を認める―厚労省
新型コロナ感染避けるため、慢性疾患患者の「予測される症状変化に対する医薬品」処方を電話等で可能に―厚労省

新型コロナウイルス検査の保険適用を踏まえ、検査キット等を明確化―厚労省
新型コロナ感染防ぐため、在宅自己注射する患者等への「電話等での指導や衛生材料等支給」認める―厚労省
新型コロナ感染予防のため全医療機関外来で標準予防策を講じ、新型コロナ患者診療では必要な装備着用を―厚労省
新型コロナ感染防止のため、「オンライン診療・医薬品処方が可能な範囲」を特例的・臨時的に拡大―オンライン診療指針見直し検討会

公立・公的病院等の再編・統合に向けた再検証、新型コロナ受け事実上の期限延長―厚労省
新型コロナウイルス検査の保険適用を踏まえ、診療報酬の疑義解釈を提示―厚労省

新型コロナ感染疑い患者、院内で移動型エックス線装置を用いたエックス線撮影を認める―厚労省
新型コロナウイルス検出のためのPCR検査、3月6日から保険適用―厚労省
新型ウイルス対策、WAMの資金貸付の強化や診療報酬等の柔軟対応の周知徹底を―日病・相澤会長
新型コロナ対応、緊急開設医療機関で「届け出月からの基本診療料算定」、大病院で「電話での外来診療料算定」可能―厚労省
新型コロナ患者増加状況踏まえ、一般医療機関での外来診療、一般病院の一般病床での入院医療を段階的に進める―厚労省
新型コロナ感染対策のための電話等による診療や薬剤処方、【電話等再診料】や【処方箋料】を算定―厚労省
基礎疾患持つ患者の新型コロナ感染避けるため、電話等による診療・処方、処方箋のFAX送信ルール明確化―厚労省
公立病院における新型コロナ感染症への医療提供体制の充実を要請―高市総務相
「互いに手を伸ばせば届く距離で、多くの人が会話等で一定時間以上続く」環境が新型コロナ感染リスクを高める―厚労省専門家会議
新型ウイルス感染拡大防止に向け、イベント開催の必要性検討、「社員等が休みやすい環境」整備を―加藤厚労相
新型コロナウイルス感染に関する相談者・受診者増に対応するため、相談センターや特別外来の体制等充実を
新型コロナウイルス患者等の受け入れ等で診療報酬の施設基準等満たさずとも、当面は変更届け出等は不要―厚労省
37.5度以上の発熱があり入院が必要な肺炎が疑われる患者、新型コロナウイルス検査の実施を―厚労省
37.5度以上発熱が4日以上続く、倦怠感や呼吸困難がある場合は「帰国者・接触者相談センター」に相談を―厚労省
新型コロナウイル患者の入院医療費は「公費負担」とするなど、治療体制を急ぎ整える―首相官邸
新型コロナウイルス関連での外出自粛患者への診療、往診料や訪問診療料の算定可能―厚生労働省
新型コロナウイルス患者、緊急やむを得ない場合には「感染症病床以外の病床」への搬送・入院も可能―厚労省
新型コロナウイルスの感染疑い例診察する特別外来を設置、相談センターから紹介―厚労省
中国武漢市滞在歴のない「新型コロナウイルスの感染患者」、本邦で初確認―厚労省
本邦でも新型コロナウイルスの感染患者、中国武漢市の滞在歴―厚労省
SARS、MERSと異なる病原体不明肺炎が中国で発生―厚労省



新型コロナ対策、まずPCR検査の拡充を進めるべきではないか―日病・相澤会長
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新型コロナで診療縮小等となる医療機関等への優遇貸付拡充、病院では当初5年「1億円まで無利子」で長期運転資金を融資―厚労省・WAM
新型コロナにより事業縮小や閉鎖を余儀なくされる病院や老健施設に資金融資―福祉医療機構



DPC対象病院、「医療の質向上」と「経営の質向上」とを両立―中医協総会

2021年度介護報酬改定、「複数サービスを包括的・総合的に提供する」仕組みを―社保審・介護給付費分科会(1)
新型コロナに対応する医療機関等スタッフへの慰労金、新型コロナ患者の診療日以降も勤務するスタッフに手厚く—厚労省



東京都における新型コロナ患者の急増、「4月時点と状況は異なり、医療提供体制は切羽詰まった状況ではない」—全日病・猪口会長