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診療報酬改定セミナー2022 診療報酬改定セミナー2022

看護必要度の「心電図モニター管理」、ICUでの削除は良いが、一般病棟での安易な削除は好ましくない―日病協

2021.12.20.(月)

2022年度診療報酬改定に向け、「重症度、医療・看護必要度」のA項目「心電図モニター管理」が注目されている。この点、ICUでの「心電図モニター管理」削除は良いが、一般病棟では安易に削除することは好ましくない―。

2019年10月に行われた消費税対応診療報酬改定後の状況を見て「2022年度改定では消費税改定対応による上乗せ点数の見直しは行わない」方針を決定した。しかし、個別病院単位では「補填の過不足」が生じており、将来に向けて丁寧に考えていく必要がある―。

12月17日の日本病院団体協議会・代表者会議では、こういった考えで一致したことが、会議終了後の記者会見で斉藤正身議長(日本リハビリテーション病院・施設協会会長)と小山信彌副議長(日本私立医科大学協会会業務執行理事)から明らかにされました。

一般病棟、とりわけ内科系病棟では「心電図モニター管理」は重要な評価指標である

日本病院団体協議会は、日本リハビリテーション病院・施設協会や日本私立医科大学協会、日本病院会など15の病院団体で構成される組織で、主に「診療報酬改定に向けて病院団体の意見をすり合わせ、共同提案・要望を行う」などの活動をしています(もちろん、診療報酬以外の医療の諸課題について議論を行っている)。

2022年度の次期診療報酬改定に向けた中央社会保険医療協議会の論議は佳境に入りつつあり、「重症度、医療・看護必要度」(以下、看護必要度)については例えば次のような見直し議論が行われてきました。

▽一般病棟用の看護必要度(関連記事はこちらこちらこちらこちらこちら
▼A項目の「心電図モニター管理」を削除する
▼A項目の「点滴ライン同時3本以上管理」を削除あるいは定義変更(「使用薬剤3種以上」など)を行う
▼A項目の「輸血・血液製剤管理」の配点を見直す
▼B項目の「口腔清潔」「衣服着脱」「食事摂取」について整理を行う
▼C項目の「骨の手術」について期間短縮(11日→8-10日)を行う

▽ICU用の看護必要度(関連記事はこちらこちらこちらこちら
▼A項目の「心電図モニター管理」「輸液ポンプ管理」を削除する
▼B項目を削除する
▼看護必要度II(レセプト電算処理システムコードを用いた評価)を導入する

さらに12月17日の中医協総会では、こうした見直しが各病院の重症患者割合(看護必要度を満たす患者の割合)にどう影響するかをシミュレーションし、その結果を踏まえて改めて見直し論議を行うことを確認しています(関連記事はこちら)。

この点、日病協では「ICU用の看護必要度で心電図モニター管理を削除することは理解できるが、一般病棟用の看護必要度での心電図モニター管理は安易に削除すべきでない」との意見で一致したことが斉藤議長・小山副議長から報告されました。

ICUでは入室者のほとんどに心電図モニターが装着されており「重症度を測定する指標としての意味が薄くなっている」ことが削除論議の背景にあります。実際に、厚生労働省の試算では「心電図モニター管理の削除」と「重症患者の基準値『A4点・B3点』の『A3点・B3点』への見直し」(心電図モニター管理分を1点減らす)とを同時に行えば「重症患者とカウントされる人数への影響はほぼない(0.0%)」ことが分かっています。このため日病協でも「ICU用の看護必要度で心電図モニター管理を削除する」点には理解を示しているのです。

IUC・HCU看護必要度について見直しを一部行った場合の影響(中医協総会(2)3 211217)



一方、一般病棟における「心電図モニター管理削除」論議の背景には、「重症患者割合を高めるために、必要性の低い患者に心電図モニターを装着している」といった不適切事例があるのではないかという疑念があります。実際に「心電図モニター管理」該当と、他のA項目該当とを比べると重複が非常に少ないことが分かっており、「他のA項目への該当性の低い患者に心電図モニターを装着してA1点を獲得しているケースが少なくない」と見る識者もおられます。

しかし手術や処置などを行うことの少ない内科系疾患患者では、「重症か否か」を判断するために「心電図モニターによる管理を行っているか否か」は重要な視点であるとの考えもあります。このため日病協では「一般病棟においては、『心電図モニター管理』の削除は安易に判断してはならない」との慎重意見が大勢を占めたと言います。

看護必要度見直しのシミュレーション結果を踏まえ議論では、こうした病院団体の意見も交えて検討が進むことになるでしょう。

このほか、看護必要度を巡っては「行為ではなく病態に着目すべき」との指摘も出ています。心電図モニター管理や点滴ライン同時3本以上管理などの「行為」を評価指標とした場合、どうしても「必要性は低いが、重症患者割合を上げるために『行為』を行っておこう」という行動を誘発してしまいます。そのため恣意的な要素が入りにくい「病態」に着目すべきとの意見は従前からあります。ただし患者の病態はそれこそ千差万別であるために「評価指標」として設定することが極めて難しく、「病態につながるもの」として「行為」が評価指標に据えられているという現実もあります。今後も腰を据えて「急性期入院医療における評価指標の在り方」を議論していく必要があるでしょう。

診療報酬による消費税対応には限界、個別病院の状況を踏まえた丁寧な議論を

また12月17日の日病協・代表者会議では「消費税対応改定の効果」をより精緻に分析していく必要がある、との点でも一致しています。

12月2日に開催された診療報酬調査専門組織「医療機関等における消費税負担に関する分科会」(以下、消費税分科会)では「2019年10月に行われた消費税対応改定後、『消費税率引き上げに伴う医療機関等の控除対象外消費税の負担増』と『診療報酬プラス改定』とを比較すると、医療機関や薬局を全体としては補填不足の状況にはない」ことなどが明らかにされました。12月8日の中医協総会では、この「全体では補填不足にない」点等を踏まえて「2022年度診療報酬改定では『消費税に着目した点数の上乗せ』の見直しは行わない」方針を固めています(関連記事はこちら)。

病院、クリニック、歯科診療所、薬局別の補填状況(消費税分科会1 211202)



これに対し各病院団体の代表者からは「機能別・病院別に細かく見ればバラつきがある。将来に向けて消費税対応の在り方を丁寧に議論していく必要がある」との意見が多数でています。

「消費税負担を診療報酬で補填する」手法では、診療報酬の算定状況は個々の病院で異なるためで、すべての病院について「過不足ない補填を行う」ことは不可能です。病院団体ではかねてから「診療報酬による消費税対応の限界」を指摘し、抜本的な解決策を練るべきと訴えています。

今般の「丁寧に議論していくべき」との意見にもこうした思いが込められていると考えられ、将来に向けて「病院サイドからデータを提示することも考えてはどうか」との意見も出ていることが斉藤議長から報告されました。



なお、日病協では「働き方改革」にしっかり取り組むために、全国の病院に対して「宿日直許可を適切に受ける」ことの重要性を訴えています。労働基準監督署から「宿日直許可」をえていなければ、宿日直は「夜勤」と扱われ、▼労働時間にカウントしなければならない▼割増賃金を支払わなければならない―点に最大限の留意が必要です。



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かかりつけ医要件を法令等で明確化せよ、医療資源散在是正のため地域医療構想の実現を急げ―健保連

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