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合併で400床以上となる病院での「地域包括ケア病棟」新設規定などを整理―疑義解釈44【2020年度診療報酬改定】

2020.11.26.(木)

厚生労働省は11月24日に、2020年度の診療報酬改定の疑義解釈(その44)を公表しました(厚労省のサイトはこちら)。

今般の疑義解釈も2020年度診療報酬改定の内容そのものに対する医療現場からの疑問に答える、疑義解釈(その1)疑義解釈(その5)疑義解釈(その15)疑義解釈(その20)疑義解釈(その23)疑義解釈(その29)疑義解釈(その30)に続くものです。

今回、診療報酬算定上の詳細が示されたのは、(1)地域包括ケア病棟入院料・入院医療管理料(2)リハビリテーション―の2項目です。

合併で400床以上となる病院の「地域包括ケア病棟」設置、例外規定を設ける

2020年度の診療報酬改定では、地域包括ケア病棟入院料・入院医療管理料について、次のようなさまざまな見直しが行われました(関連記事はこちらこちらこちらこちらこちらこちら)。

(1)許可病床数400床以上の病院に設置する「地域包括ケア病棟」について、入院患者のうち同一医療機関内の一般病棟から転棟した患者の割合が6割以上である場合に入院料を減額する
(2)許可病床数400床以上の病院について、地域包括ケア病棟の新設を認めない(ただし既に保有する地域包括ケア病棟は維持できる)
(3)同一保険医療機関内のDPC病棟から地域包括ケア病棟(ここは病棟のみ、病室は除外)に転棟した患者について、DPC点数表の入院期間IIまでの間、DPC点数を算定する
(4)地域包括ケア病棟入院料1・3の実績に係る基準を見直す
(5)地域包括ケア病棟入院料の施設基準において「入退院支援・地域連携業務を担う部門の設置」を要件(義務化)とする
(6)地域包括ケア病棟における疾患別リハビリテーション提供について「患者の入棟時に測定したADLスコア結果等を参考にリハビリの必要性を判断すること」を要件とする
(7)地域包括ケア病棟入院料の施設基準において「適切な意思決定支援に関する指針(いわゆるACP)を定めていること」を要件とする

地域包括ケア病棟の見直しの概要(2020年度改定告示・通知(7)1 200305)

地域包括ケア病棟入院料等の新施設基準概要(2020年度改定告示・通知(7)2 200305)



このうち(2)の見直しは、「病院・病棟の機能分化を進める」という視点に立ったものです。例えば、大規模な公立・公的病院が「旧7対1(現急性期一般1)を維持するために地域包括ケア病棟(2014年度改定で新設)を設置することは好ましくない」といった指摘が従前よりあり、2016年度改定より「大規模病院では、新設は1病棟のみ」といった対応が図られてきました。2020年度改定ではこの制限方針をさらに進め、「許可病床数400床以上の病院について、地域包括ケア病棟の新設を認めない」こととしたものです。

しかし、病院の再編・統合が進む中で、例えば「350床の公立病院と150床の民間病院とが合併し、50床減少して450床の新公立病院を新設する」際などに、この2020年度改定の制限強化がネックとなり、再編・統合が阻害される恐れがあるとの指摘がありました。

そこで厚労省は、中央社会保険医療協議会での了承を経て、「再編・統合によって許可病床数400床以上となる病院であっても、地域医療構想調整会議の合意などがある場合には、地域包括ケア病棟の設置(ただし1病棟のみ)を可能とする」との例外規定を設けました(関連記事はこちらこちら)。

具体的には、次の要件を満たしている必要があります。
(i)複数の病院の再編・統合を伴う医療提供体制の見直しであること
(ii)再編・統合対象となる病院のいずれかが地域包括ケア病棟を有していること
(iii)地域医療構想調整会議において「再編・統合後の病院が引き続き地域包括ケア病棟を有する必要がある」点について合意を得ていること



今般の疑義解釈では、この例外規定に関し、次のような考え方を明らかにしています。要件(ii)のさらに例外を認めるものと言えそうです。

▽再編・統合を行う対象病院のいずれかが【地域包括ケア入院医療管理料】(病室単位)を届け出ている場合、2020年3月31日までに地域医療構想調整会議で「再編・統合後の病院が地域包括ケア病棟を有する必要がある」と合意を得ていた場合については、【地域包括ケア病棟入院料】(2または4)を届け出ることができる

▽再編・統合を行う対象病院のいずれの病院も【地域包括ケア病棟入院料】または【地域包括ケア入院医療管理料】を届け出ていない場合でも、2020年3月31日までに地域医療構想調整会議で「再編・統合後の病院が、地域包括ケア病棟を有する必要がある」と合意を得ていた場合については、【地域包括ケア病棟入院料】(2または4)を届け出ることができる

なお、いずれのケースでも、届け出に当たって提出する「合意を得た地域医療構想調整会議の概要」において、合意を得た日付を記載することが求められます。

地域包括ケア病棟、退院調整経験5年以上のMSWは、「入退院支援・地域連携に係る業務を行う看護師等」に含めず

ところで、【地域包括ケア病棟入院料】の施設基準には、上記(5)のとおり、新たに「当該医療機関内に入退院支援および地域連携業務を担う部門が設置されていること」が義務付けられました。

当該部門には、入退院支援・地域連携に係る業務に関する十分な経験を有する「専従の看護師+専任の社会福祉士」または「専従の社会福祉士+専任の看護師」を配置していることなどが必要です。

この「入退院支援・地域連携に係る業務に関する十分な経験のある看護師または社会福祉士」に関しては、従前の疑義解釈で、下記【参考】にあるように、「当面、退院調整に関する5年間以上の経験あるMSWを含めて考えてよい」旨が示されていました。今般の疑義解釈では、この解釈を廃止。「退院調整に関する5年間以上の経験ある未資格(社会福祉資格を持たない)のMSW」について、「入退院支援・地域連携に係る業務に関する十分な経験のある看護師または社会福祉士」に含めて考えることができなくなります。病院におかれては、MSWの「社会福祉士」資格取得に向けた支援などをこれまで以上に進めることが重要です。

なお、地域包括ケア病棟入院料における「入退院支援・地域連携業務を担う部門に係る規定」については、来年(2021年)3月31日までの経過措置が設けられています(2020年3月31日時点で地域包括ケア病棟入院料を届け出ている病棟は、2021年3年31日までの間に限り「入退院支援部門に係る施設基準を満たしている」ものとする)。

【参考】
▽「疑義解釈資料の送付について(その3)」(2008年7月10日付事務連絡、厚労省のサイトはこちら
(問6)退院調整加算および後期高齢者退院調整加算の施設基準である「専従の看護師または社会福祉士」として、いわゆるMSWは認められないのか
(答)退院調整に関する5年間以上の経験を有するものについては、当分の間、当該加算の要件である「看護師または社会福祉士」として認めて差し支えない

▽「疑義解釈資料の送付について(その1)」(2010年3月29日付事務連絡、厚労省のサイトはこちら
(問72)「疑義解釈資料の送付について(その3)」(2008年7月10日付事務連絡)によれば、退院調整に関する5年間以上の経験を有する者については、当分の間、退院調整加算等の要件である「看護師または社会福祉士」として認めて差し支えないとあるが、2010年度改定後も、当該取り扱いは認められるのか
(答)社会福祉士にはいわゆるMSWは認められないが、2010年3月31日に退院調整に関する5年以上の経験を有する者として当該保険医療機関に従事している者に限り、当分の間、慢性期病棟等退院調整加算、急性期病棟等退院調整加算等の退院調整に対する加算の算定要件に必要な社会福祉士として認めて差し支えない

▽「疑義解釈資料の送付について(その3)」(2012年4月27日付事務連絡、厚労省のサイトはこちら
(問5)A238【退院調整加算】については「疑義解釈資料の送付について(その1)」(2010年3月29日付事務連絡)問72によれば、退院調整に関する5年間以上の経験を有する者については、当分の間、退院調整加算の要件である「看護師または社会福祉士」として認めて差し支えないとあるが、2012年度改定後も、当該取扱いは認められるのか
(答)そのとおり

疾患別リハのリハ実施計画書、リハ総合計画評価のリハ総合実施計画書で兼ねてよい

またリハビリテーションに関しては、通則において「疾患別リハビリの実施に当たり、医師は定期的な機能検査等をもとに、その効果判定を行い、リハビリ実施計画書をリハビリ開始後原則として7日以内、遅くとも14日以内に作成する必要がある」旨が規定されています。

この点、今般の疑義解釈では、「初回のリハビリ開始後7日以内、遅くとも14日以内にH003-2【リハビリテーション総合計画評価料】に係る『リハビリ総合実施計画書』を作成した」場合には、上記の「リハビリ実施計画書」の作成は不要である旨が明確にされました。リハビリ総合実施計画書で、リハビリ実施計画書を兼ねることが可能です。

ぽんすけ2020 MW_GHC_logo

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400床以上大病院、地域包括ケア病棟の新設は不可、既存病棟でpost acuteへの偏りに制限―中医協総会(2)
重症患者割合の基準値、急性期1:31%、急性期2:28%、急性期3:25%、急性期4:22%で決定―中医協総会(1)
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「膵臓がん」や「消化管再建を伴う食道がん」などにロボット支援下内視鏡手術を拡大―中医協総会(1)
看護必要度見直し、急性期1では現行「30%」維持でも計算上4分の1がドロップする厳格化―中医協総会
2020年度診療報酬改定論議の整理、支払側の幸野委員「反対意見の多い項目」の復活要望し混乱―中医協総会
【2020年度診療報酬改定総点検4】がんゲノム医療の推進、がん治療と仕事の両立支援などを診療報酬でもポート!
【2020年度診療報酬改定総点検3】入退院支援加算の人員配置要件を緩和、救急搬送受け入れ件数に着目した新加算!
【2020年度診療報酬改定総点検2】救急搬送患者の特に多い病院のマネジメント体制を評価へ!
【2020年度診療報酬改定総点検1】大病院の地域包括ケア病棟に厳しい改定に、急性期一般は年明けから重症患者割合を検討!
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入院患者のPET検査、他院実施での「入院料減額措置」を緩和し共同利用推進―中医協総会(3)
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医師働き方改革に向け、救急医療実績の高い病院等の「緊急的な取り組み」実施を診療報酬でサポート―中医協総会(1)
DPCでは「別個」でも、一般則で「一連」となる入院、【救急医療管理加算】等の算定不可―中医協総会(3)
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小児抗菌薬適正使用支援加算、算定対象を3歳以上にも広める一方で算定要件厳格化を模索―中医協総会(2)
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高齢者へのフレイル・認知症・ポリファーマシ―対策、診療報酬でどうサポートすべきか―中医協総会(3)
診療報酬で生活習慣病の重症化予防、治療と仕事の両立をどう進めていくか―中医協総会(2)
遺伝子パネル検査の保険収載に向けた検討進む、C-CATへのデータ提出等を検査料の算定要件に―中医協総会(1)
「院内助産」「外来での妊産婦対応」を診療報酬でどう支援していくべきか―中医協総会(2)
2020年度改定論議スタート、小児疾患の特性踏まえた診療報酬体系になっているか―中医協総会(1)
2020年度診療報酬改定に向け、「医師働き方改革」等のテーマ別や患者の年代別に課題を議論―中医協総会



中医協・基本小委、支払側が「看護必要度や地域包括ケア病棟などの厳格化」を強く要望
2020年度診療報酬改定に向け、「看護必要度」「地域包括ケア病棟」などの課題を整理―入院医療分科会
ICU、看護必要度とSOFAスコアを組み合わせた「新たな患者評価指標」を検討せよ―入院医療分科会(2)
A項目1点・B項目3点のみ患者、療養病棟で該当患者割合が高いが、急性期の評価指標に相応しいか―入院医療分科会(1)
病院病棟への「介護福祉士配置とその評価」を正面から検討すべき時期に来ている―入院医療分科会(3)
ICUの「重症患者」受け入れ状況、どのように測定・評価すべきか―入院医療分科会(2)
DPC病棟から地域包括ケア病棟への転棟、地ケア病棟入院料を算定すべきか、DPC点数を継続算定すべきか―入院医療分科会(1)
総合入院体制加算、地域医療構想の実現や病床機能分化を阻害していないか?―入院医療分科会(3)
救命救急1・3は救命救急2・4と患者像が全く異なる、看護必要度評価をどう考えるべきか―入院医療分科会(2)
「急性期一般2・3への移行」と「看護必要度IIの義務化」を分離して進めてはどうか―入院医療分科会(1)
【短期滞在手術等基本料3】、下肢静脈瘤手術などは外来実施が相当数を占める―入院医療分科会(4)
診療データ提出を小規模病院にも義務化し、急性期病棟にも要介護情報等提出を求めてはどうか―入院医療分科会(3)
資源投入量が少なく・在院日数も短いDPC病院、DPC制度を歪めている可能性―入院医療分科会(2)
看護必要度の「A1・B3のみ」等、急性期入院医療の評価指標として妥当か―入院医療分科会(1)
回復期リハ病棟でのFIM評価、療養病棟での中心静脈栄養実施、適切に行われているか検証を―入院医療分科会(2)
入院で実施されていない「免疫抑制剤の内服」「膀胱脱手術」など、看護必要度の評価対象から除くべきか―入院医療分科会(1)
回復期リハビリ病棟から退棟後の医療提供、どのように評価し推進すべきか―入院医療分科会(3)
地域包括ケア病棟の実績評価要件、在宅医療提供の内容に大きな偏り―入院医療分科会(2)
点数が「DPC<地域包括ケア」時点にDPC病棟からの転棟が集中、健全なのか―入院医療分科会(1)
療養病棟に入院する医療区分3の患者、退院患者の8割弱が「死亡」退院―入院医療分科会(2)
入退院支援加算1の「病棟への入退院支援スタッフ配置」要件、緩和すべきか―入院医療分科会(1)
介護医療院の整備など進め、患者・家族の「退院後の介護不安」解消を図るべき―入院医療分科会(2)
急性期一般1では小規模病院ほど認知症入院患者が多いが、看護必要度への影響は―入院医療分科会(1)
看護必要度IとIIとで重症患者割合に大きな乖離、要因を詳しく分析せよ―中医協・基本小委
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7対1から急性期2・3への移行は3%強にとどまる、看護必要度IIの採用は2割弱―入院医療分科会(1)
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