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コロナ重点・協力医療機関、「事実上のコロナ患者等を受け入れ専用病床」も手厚い補助対象―厚労省

2021.4.6.（火）

厚生労働省は4月1日に事務連絡「令和3年度新型コロナウイルス感染症緊急包括支援事業（医療分）に関するQ＆A（第1版）について」を示しました（厚労省のサイトはこちら）。これまでのQ＆Aの改訂版という位置づけです。

重点・協力医療機関の補助、外国人コロナ感染患者受け入れ医療機関に対する補助、ECMO等研修経費の補助について、詳細を明らかにしました。

1 重点・協力医療機関、「事実上のコロナ患者等を受け入れる専用病床」も手厚い補助対象
2 コロナに感染した外国人患者を受け入れる医療機関・宿泊施設の必要経費を補助
3 ECMO・人工呼吸器の操作に関する研修を集中治療学会等に委託する場合、経費を補助

重点・協力医療機関、「事実上のコロナ患者等を受け入れる専用病床」も手厚い補助対象

新型コロナウイルス感染症が依然として猛威を振るっています。新規感染者の増加は少なくなったことなどから、緊急事態宣言は解除されたものの、変異株を端緒とする「第4波」の到来も危惧されており、そうした中では「感染拡大防止策」「医療提供体制の確保」が継続した重要課題となっています。

医療提供体制に関しては、医療提供体制に関しては、2020年度の補正予算や予備費などを活用した「緊急包括支援事業」を、昨春（2020年春）より実施し、拡大しています。例えば「新型コロナウイルス感染症患者を受け入れるための病床確保（空床確保など）」「軽症で重症化リスクの低い感染患者を受け入れる宿泊施設の整備」「新型コロナウイルス感染症と闘う医療従事者への慰労金」「医療機関等における感染防止」などに多くの事業に補助を行っています（緊急包括支援金の支給など、1次補正の関連記事はこちら、2次補正の関連記事はこちら、予備費を活用した空床確保補助の引き上げなどに関する記事はこちら、昨年末に設けられた人件費補助とその拡充に関する記事はこちら）。

今年度（2021年度）も、前年度（2020年度）の補助内容（拡充を含む）を引き継ぐ形で緊急包括支援事業が実施され、今般、厚労省が補助要件や使途などに関する現場の疑問に厚労省が答えたものです。これまでのQ＆Aの「改訂版」にあたるものです。

まず、新型コロナウイルス感染症患者・疑い患者を受け入れる重点医療機関・協力医療機関について、次のような考え方を明らかにしています。

▽協力医療機関（主に新型コロナウイルス感染症の疑い患者を受け入れる機能について都道府県の指定を受けた医療機関、一般医療機関よりも手厚い補助が受けられる）が、「新型コロナウイルス感染症疑い患者の個室病床」とともに、「▼新型コロナウイルス感染症患者▼新型コロナウイルス感染症の疑い患者—を受け入れ可能な病床」も確保している場合には、ゾーニング等により一般の患者と適切に区分していれば、それらの病床に、協力医療機関の病床確保料の上限額が適用され得る

▽重点医療機関（主に新型コロナウイルス感染症の中等症、重症患者を受け入れる機能について都道府県の指定を受けた医療機関、一般医療機関・協力医療機関よりもさらに手厚い補助が受けられる）には、「病棟単位でコロナ患者あるいは疑い患者用の病床確保を行っていること」との要件があるが、「専用病床の数」に関する基準はない

▽重点医療機関が「病棟単位での受入病床」とともに、当該病棟以外にも「▼新型コロナウイルス感染症患者▼新型コロナウイルス感染症の疑い患者—を受け入れ可能な病床」も確保している場合には、ゾーニング等により一般の患者と適切に区分し、「実質的に専用病棟として機能」していれば、それらの病床に、重点医療機関の病床確保料の上限額が適用され得る

コロナに感染した外国人患者を受け入れる医療機関・宿泊施設の必要経費を補助

また、「外国人患者を受け入れる拠点的な医療機関」が新型コロナウイルス感染症患者等の入院患者を受け入れる医療機関に対しては、▼外国人患者の受入れにあたり必要な、外国人特有の課題に対応した入院治療・療養が可能な体制の整備▼感染拡大防止対策▼診療体制確保―などに要する費用が「新型コロナウイルス感染症患者等入院医療機関等における外国人患者の受入れ体制確保事業」の中で補助されます（入院医療機関では1施設あたり1000万円、宿泊療養施設では同じく200万円が上限）。

今般のQ&Aでは、本事業について次のような点が明確にされました。

▽2021年度は「今年（2021年）4月1日から9月30日までにかかる経費」が対象となる。申請日以降に発生が見込まれる費用も合わせて「概算で申請」することも可能で、この場合、事後に実績報告が必要となるため、領収書等の証拠書類を保管しておく。「概算交付額＞確定額」となる場合には上回る金額は返還しなければならない

▽「医療従事者が新型コロナウイルス感染症に感染または濃厚接触したことに伴い休業や病棟・外来の閉鎖をした場合の補償を行う保険」については、▼新型コロナウイルス感染症の影響による休業（病棟・外来閉鎖した場合を含む）について補償する保険である▼契約期間を任意に設定することができないため、保険期間に「2021年10月1日以降」が含まれる▼今年（2021年）4月1日から9月30日までに保険料を支払い、支払い額が12か月以下の最も短い期間を対象とした保険料である―こと。すべてを満たす場合には、保険期間に10月1日以降が含まれていたとしても、「今年（2021年）4月1日から9月30日までに支払った保険料の全額」を補助対象経費と扱ってよい

▽申請は各施設で1回のみとなり、昨年度（2020年度）に本事業の補助を受けた医療機関・宿泊療養施設は、2021年度は補助対象「外」である

ECMO・人工呼吸器の操作に関する研修を集中治療学会等に委託する場合、経費を補助

また、今年度（2021年度）から、緊急包括支援事業の補助メニューに「新型コロナウイルス感染症重症患者に対応する医療従事者養成研修事業」が盛り込まれました。

新型コロナウイルス感染症の重症患者等では「人工呼吸器やECMOによる管理」が必要となるケースが少なくありません。これらの高度機器を操作するための知識・技術を身に着ける研修の経費（開催費）について、▼新型コロナ患者対応 ECMO 研修（基礎編および応用編）では1開催当たり450万円▼新型コロナ患者対応人工呼吸器研修（基礎編および応用編）では同じく200万円—を上限に補助するものです。

今般のQ&Aでは、次のような点が明確にされました。

▽本事業の委託先は、」対象者にもよるが、例えば「集中治療の関連学会」などが想定される（都道府県が集中治療関連学会などに委託し、研修を開催してもらう）

▽「ECMO応用編」の研修対象者として、「2020年度のECMOチーム等養成研修事業の受講者」を含めてよい

▽厚労省事務連絡「新型コロナウイルス感染重症患者に対応する医療従事者養成研修事業の実施について」で示された研修内容を含んだ、フリーアクセスのスライドや動画を用いた研修を行ってもよい。ただし、「講師と受講者との間で質疑応答等のコミュニケーションが可能な体制」を確保し、「受講者の名簿管理」が行える形式での開催が必要である

▽集合型の研修を行う場合には、次のような「新型コロナウイルス感染の拡大防止対策」（開催者による会場の消毒、受講者への感染対策の啓発など）をとることが求められる
▼新型コロナウイルス感染症対策の基本的対処方針
▼新型コロナウイルスの消毒・除菌方法について
▼新型コロナウイルスを想定した「新しい生活様式」の実践例