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2022年度診療報酬改定は各病院に「決断」迫る厳しいもの、病院団体から国への働きかけ強化を―日病・相澤会長

2022.2.28.(月)

2022年度の今回診療報酬改定は病院にとって非常に厳しく、「自院の経営・運営の方向性をどう考えるか」決断を迫られるものとなっている。この方向は2024年度の次期改定(診療報酬・介護報酬の同時改定)にもつながると考えられ、病院にとって厳しい状況が続く。しかし、これを乗り越え、国民に安心してもらえる医療提供体制を地域で構築しなければならない―。

医療法人の財務諸表などについて、インターネットなどで「事実上の公表」を行う方針が決定する。日病としても、病院団体としても「重要情報の安易な公表は病院経営を混乱させる」などの医療現場の声・要望を届けていくが、国は「決定事項である」として対応してもらえない可能性が高い。今後、「決定前のプロセス」において病院団体として強く働きかける方向にシフトしなければならないと強く感じている―。

2月28日の定例記者会見において、日本病院会の相澤孝夫会長はこうした考えを強調しました。

2022年度診療報酬改定を契機に、各病院で「方向性」を決断する必要がある

2月9日に2022年度診療報酬改定の内容が中央社会保険医療協議会で固められました。詳細(新設された各種加算などの施設基準など)は3月上旬から示される告示・通知を待たなければなりませんが、相澤会長は「病院にとって非常に厳しいものになる。各病院において今後の方向性をしっかり考えないといけない状況になる」と見ています。

例えば、急性期入院医療の評価指標である「重症度、医療・看護必要度」については、▼A項目の「心電図モニター管理」を削除する▼A項目の「点滴ライン同時3本以上管理」を「点滴薬剤3種類以上」に定義変更する▼A項目の「輸液・血液製剤管理」を1点から2点に引き上げる―という見直しが行われ、厚生労働省の試算では「200床未満の中小規模病院において、現在の入院基本料取得が難しくなるケースが多い」ことが分かっています(関連記事はこちら)。

このため、施設基準の1つである重症患者(看護必要度を満たす患者)割合の基準値を、例えば次のように「200床未満病院で緩和する」措置がとられますが、「中小病院にとって厳しい」状況そのものには変わりないようです(関連記事はこちら)。
【急性期一般1】
(現行)必要度I:31%以上、必要度II:29%以上

(見直し後)
▽許可病床数200床以上では必要度I:31%以上(看護必要度IIが義務化されるため経過措置としてのみ存在する)、必要度II:28%以上
▽許可病床数200床未満では必要度I:28%以上、必要度II:25%以上



こうした状況を踏まえて相澤会長は「『自院の経営・運営の方向性をどう考えるか』の決断を迫られるものとなっている。この方向は2024年度の次期改定(診療報酬・介護報酬の同時改定)にもつながると考えられ、病院にとって厳しい状況が続く」と見通します。

例えば「急性期一般1(旧7対1)を維持するのか、急性期一般2や3(看護配置は10対1)などへの転換を考えていくのか」などを、▼自院およびスタッフの意向▼自院の機能▼近隣病院の動向▼地域の患者動向(高齢化の進展や人口移動など)―といった各要素に照らして真剣に考えていかなければならない時期に来ています。

この点に関連して日病幹部の間では「そもそも看護必要度は急性期入院医療の評価指標として相応しいのか」という議論が行われています。相澤会長は「看護必要度は病棟看護師の手間を評価するものだが、看護の手間は、必ずしも『急性期入院医療の必要性』とパラレルではない。急性期入院医療の評価指標として何が相応しいのかを考えていく必要がある」とも強調しています。今後の診療報酬改定に向けて日病幹部の中で熱のこもった「急性期入院医療の評価指標」論議が進むことになります(関連記事はこちら)。

国が施策・制度を固める前に「病院サイドの要望」を強く訴える形へのシフトが必須

ところで医療法人の事業報告について、厚労省は(1)2022年度からG-MISへの電子データアップロードによる届け出とする(2)2023年度からは都道府県ホームページ等でデータを閲覧可能とする(3)将来には全国データベースを構築する(検討中)―という方針を示しています。

これに対し病院サイドからは、▼閲覧者が匿名で、つまりどこの誰か明らかでない人間が情報にアクセス可能とするのは問題ではないか。行き過ぎた詮索や営業活動などに使われるのは遺憾ではないか▼今の未成熟なネット事情を見れば、誰でも閲覧できる状況とすれば想定外の問題が生じる可能性が高い。医療に専念しなければならない一方で、そうした想定外の問題への対応をしなければならないとなれば医療法人経営が立ち行かなくなる―といった疑問の声が出ています。このため、例えば「閲覧申請をする際に、自身の身分を明かすことを義務付けてはどうか」などの申し入れを行う考えが四病院団体協議会(全日本病院協会・日本病院会・日本医療法人協会・日本精神科病院協会の4団体で構成される)などで検討されています(関連記事はこちら)。

この点、相澤会長は「医療法人の財務諸表などを、インターネットを介して『事実上、公表・公開する』ことは国レベルで、すでにかっちりと決定されており、我々(日病や四病協、日病協など)が申し入れを行っても『決定済である』として議論の余地がないのではないか」と分析。

そのうえで、「今後も、さまざまな制度などが決まっていくが、その際には、日病や病院団体として『決定する前』に国や関係者に働きかけていくという形にシフトしていかなければならないと、強く感じている」ことを強調しました。例えば、国が「●●を考えている」と述べた時点では、すでに「●●を実行する」ことが決まっており、そこへの意見はほとんど反映されない。このため「●●を考えている」と述べる前の段階で国の動きを察知し、そこに日病や病院団体として「現場では〇〇である。改善が必要である」と強く申し入れを行うという手法へのシフトです。情報を早期に察知する必要があり、日病や病院団体の体制強化も必要になってくるでしょう。



なお、日病の2022年度事業方針が2月26日の常任理事会で了承され(正式決定は3月の総会承認を待つ必要がある)、例えば▼医師偏在対策の強化▼感染症流行時の医療提供体制確保▼外来医療の連携―などが重要新規事項として盛り込まれていることが紹介されています。

外来医療については、この4月(2022年4月)から外来機能報告制度がスタートし、来年(2023年)3月までには各地域で「紹介受診重点医療機関」が明確になる見込みです(関連記事はこちら)。しかし、外来医療については「病院と診療所との区分け」などは容易に行えず(地域によっては規模の大きな病院がかかりつけ医機能を担うケースも少なくない)、総合的な検討が必要であることを相澤会長は訴えています。



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