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診療報酬改定セミナー2024 看護モニタリング

2026年度以降の診療報酬改定見据え、「急性期病棟の再編」含めた「急性期入院医療の評価の在り方」を検討せよ―中医協総会(2)

2024.2.7.(水)

2024年度の今回診療報酬改定では、例えば高齢の救急搬送患者に包括対応を行う新病棟【地域包括医療病棟入院料】の新設や、重症度、医療・看護必要度の見直しなどが行われ、これらは「急性期病棟の再編」につながると予想される。2024年度改定の影響・効果を適切に把握し、引き続き「急性期入院医療の評価の在り方」を検討していくことが重要である—。

2月7日に開催された中央社会保険医療協議会・総会で、こういった内容を盛り込んだ「答申書附帯意見」案が了承されました。いわば「2026年度以降の診療報酬改定に向けた宿題」事項となります(同日の看護必要度関連の記事はこちら)。

間もなく、2024年度診療報酬改定に向けた答申が行われ、新点数や新施設基準が明らかとなります。その後、3月上旬から解釈通知が示され、改定内容の詳細が明らかになっていきます。

2026年度以降の診療報酬改定に向けた宿題と言える「附帯決議」を取りまとめ

中医協総会では2024年度の次期診療報酬改定に向けた議論を終え、2月14日に予定される次回会合で新点数や新施設基準などに関する答申を行う予定です。

原則として2年に一度行われる診療報酬改定は、「医療現場の課題解決」を大きな目的の1つとしています(このほかに「医療機関等の収益を物価・賃金動向にマッチするように調整したり、新規医療技術の保険適用なども重要な目的となる)。ただし、一度の改定ですべての課題を解決できるわけではありません。また、大きな見直しを行った場合には、その後の状況を調べ「改定の意図・趣旨に沿った効果が現れているか」などを確認する必要もあります。

このため中医協総会では、新点数などの答申を行うとともに、「附帯意見」として次期改定に向けた宿題事項の確認を行います。

2月7日の中医協総会では、次のような内容を盛り込んだ附帯意見が取りまとめられました。今回の2024年度改定の影響について調査・検証を行うとともに、たとえば以下のような点を2026年度の次期改定に向けて検討することを「宿題」として提示しています。

●附帯意見はこちら

【全般的事項】
▽患者をはじめとする関係者にとって分かりやすい診療報酬体系となるよう検討する

【賃上げ全般】
▽各医療機関において医療従事者等の賃上げが適切に実施されているか、また若手勤務医等の賃上げについても実態を適切に把握した上で、検証を行う

【医療DX】
▽本年(2024年)12月2月から現行の健康保険証の発行が終了することを踏まえ、【医療情報取得加算】による適切な情報に基づく診療の評価・検討を2024年度度早期より行う

【医療DX推進体制整備加算】について、今後のマイナンバーカードの保険証利用の利用実態・活用状況、電子処方箋の導入状況および電子カルテ情報共有サービスの整備状況を確認・把握し、適切な要件設定、評価の在り方を検討する

【働き方改革・人材確保】
▽医師の働き方改革の更なる推進を図る観点から、「医療機関全体の取り組みに対する評価の在り方」「タスクシフト・タスクシェアの進捗」「医療従事者の負担軽減」「人材確保が困難な状況での看護補助者の定着」などについて、2024年度改定による影響の調査・検証を行い、実効性のある取り組みに繋がる評価の在り方などを引き続き検討する

【入院医療】
▽新設された【地域包括医療病棟】において、高齢者急性疾患の受け入れ状況、リハビリ・栄養管理・口腔管理などのアウトカムを分析し、評価の在り方を検討する

▽これに伴い、10対1急性期一般病棟について、その入院機能を明確にした上で、再編を含めた評価の在り方を検討する

▽急性期一般、高度急性期医療に係る評価、地域で急性期・高度急性期医療を集中的・効率的に提供する体制について、人口構造や医療ニーズの変化も見据え、看護必要度、SOFAスコアなど「入院患者のより適切な評価指標や測定方法」など、入院料の評価の在り方などを引き続き検討する

▽地域包括ケア病棟、回復期リハビリ病棟、障害者施設、療養病棟について、求めらる役割の更なる推進、提供されている医療の実態の反映の観点から、入院料の評価の在り方などを引き続き検討する

▽救急医療管理加算についての見直しについて、適切な「患者の重症度」に応じた評価の在り方を引き続き検討する

▽DPC、短期滞在手術等基本料について、医療の質向上・標準化に向け、診療実態を踏まえた更なる包括払いの在り方を引き続き検討する

▽入院時の食費の基準見直しについて、2024年度改定による影響、食費等の動向等を把握し、検証する

【外来医療】
▽地域包括診療料・加算について、介護保険サービスとの連携の推進を引き続き検討する

▽生活習慣病について、より適切な管理がなされるよう、患者の視点を十分に踏まえつつ、引き続き検討する
→他の疾病管理についても実態を踏まえた適切な評価の在り方を引き続き検討する

▽「かかりつけ医機能を有する医療機関」について、改正医療法に基づく制度整備の状況を踏まえ、かかりつけ医機能がより発揮される評価の在り方を検討する

▽オンライン診療について、「初診から向精神薬等を処方する医療機関」「大半の診療を医療機関所在地とは異なる地域の患者に対して行う医療機関」があることを踏まえ、より丁寧に実態を把握するとともに、引き続き評価の在り方を検討する

【在宅医療等】
▽「同一建物居住者への効率的な訪問診療や訪問看護」における対応など、2024年度改定による影響を調査・検証するとともに、地域の医療提供体制の実態等も踏まえつつ、往診、訪問診療、歯科訪問診療、訪問薬剤管理指導、訪問看護等における適切な評価の在り方を引き続き検討する

【医療技術の評価】
▽保険適用された医療技術に対する評価について、レジストリ等のリアルワールドデータの解析結果や関係学会等による臨床的位置付けを踏まえ、適切な再評価が継続的に行われるよう、医療技術評価のプロセスも含め引き続き検討する

▽革新的な医療機器や検査等のイノベーションを含む先進的な医療技術を迅速かつ安定的に患者へ供給・提供する観点も踏まえ、有効性・安全性に係るエビデンスに基づく適切な評価の在り方を引き続き検討する

【敷地内薬局】
▽同一敷地内の医療機関と薬局の関係性や当該薬局の収益構造等も踏まえ、当該薬局・当該薬局を有するグループとしての評価の在り方を引き続き検討する

【後発医薬品の使用促進】
▽バイオ後続品を含む後発医薬品の使用促進について、後発医薬品の供給状況や医療機関・薬局における使用状況等も踏まえ、診療報酬における後発医薬品の使用に係る評価について引き続き検討する

【長期収載品】
▽選定療養の仕組みを用いた「長期収載品における保険給付の在り方の見直し」について、患者の動向、後発医薬品への置換え状況、医療現場への影響も含め、その実態を把握し、、制度の運用方法等に関して必要な検証を行う

【薬価制度】
▽ドラッグ・ラグ/ドラッグ・ロスの解消等の医薬品開発への影響、後発医薬品の企業指標導入や今後の情報公表も踏まえた医薬品の安定供給に対する影響等を、製薬業界の協力を得つつ分析・検証等を行い、こうした課題に対する製薬業界としての対応を踏まえながら、薬価評価の在り方を引き続き検討する

【保険医療材料制度】
▽プログラム医療機器への対応や革新的な医療機器等に対する評価の導入の影響等について検証する

▽医療上必要な医療機器等の安定供給の確保等の観点から、物流2024年問題による影響を注視するとともに、我が国における医療機器等の製造・流通、研究開発に係る費用構造等について関係業界の協力を得つつ分析し、こうした課題に対する関係業界としての対応を踏まえながら、適切な評価の在り方を引き続き検討する

【施策の検証】
▽施策の効果や患者への影響等について、データやエビデンスに基づいて迅速・正確に把握・検証できるようにする方策を引き続き検討する

▽医療機関・薬局の経営状況について、「医療経済実態調査等の結果に基づき議論する」ことを原則とする



これまでの診療報酬改定における附帯意見と類似・重複している部分も少なくなく、医療現場や診療報酬における課題がいかに解決困難なものであるかを物語っていると言えます。



2024年度改定内容が近く決定し(2月14日に答申予定)、その後、3月上旬の点数表等の告示、解釈通知等の発出等を経て、6月から新点数や新基準が適用されます(薬価については4月適用)。

新点数・新基準の運用状況や医療現場への影響について、上記の附帯意見に沿って必要な調査・検証(例えば結果検証調査や、入院医療分科会の特別調査)が行われ、2026年度の次期改定内容を検討していくことになります。こう見ると「2024年度改定決着の前」から2026年度改定論議が始まっていると考えられます。



なおGem Medでは改定セミナー動画も準備しております。是非、あわせてご活用ください。



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感染対策向上加算等、「次なる新興感染症に備えるための医療機関・都道府県の協定」締結進むような見直しを—中医協総会
一部に「歪んだオンライン診療」、適切な形でのオンライン診療推進を目指せ!D to P with Nの量・質の拡充を―入院・外来医療分科会(4)
外来医療の機能分化が2024年度診療報酬改定でも重要テーマ、生活習慣病管理の取得・算定推進に向けた手立ては―入院・外来医療分科会(3)
入退院支援加算について「入院料別の施設基準・算定要件」など検討しては、緊急入院患者の退院支援が重要課題―入院・外来医療分科会(2)
がん化学療法の外来移行、「栄養指導」や「仕事と治療との両立支援」などと一体的・総合的に進めよ―入院・外来医療分科会(1)
高額な医薬品・医療機器など、より迅速かつ適切に費用対効果評価を行える仕組みを目指せ、評価人材の育成も急務―中医協
新薬創出等加算の企業要件には「相当の合理性」あり、ドラッグ・ラグ/ロスで日本国民が被る不利益をまず明確化せよ―中医協・薬価専門部会
在宅医療ニーズの急増に備え「在宅医療の質・量双方の充実」が継続課題!訪問看護師の心身負担増への対応も重要課題—中医協総会
入院医療における「身体拘束の縮小・廃止」のためには「病院長の意識・決断」が非常に重要―入院・外来医療分科会(3)
地域包括ケア病棟、誤嚥性肺炎等の直接入棟患者に「早期から適切なリハビリ」実施すべき―入院・外来医療分科会(2)
総合入院体制加算から急性期充実体制へのシフトで地域医療への影響は?加算取得病院の地域差をどう考えるか―入院・外来医療分科会(1)
「特許期間中の薬価を維持する」仕組み導入などで、日本の医薬品市場の魅力向上を図るべき―中医協・薬価専門部会
乳がん再発リスクなどを検出するプログラム医療機器、メーカーの体制など整い2023年9月から保険適用―中医協総会(2)
高齢患者の急性期入院、入院後のトリアージにより、下り搬送も含めた「適切な病棟での対応」を促進してはどうか—中医協総会(1)
2024年度の薬価・材料価格制度改革論議始まる、医薬品に関する有識者検討会報告書は「あくまで参考診療」—中医協総会(3)
マイナンバーカードの保険証利用が進むほどメリットを実感する者が増えていくため、利用体制整備が最重要—中医協総会(2)
かかりつけ医機能は「地域の医療機関が連携して果たす」べきもの、診療報酬による評価でもこの点を踏まえよ—中医協総会(1)
2024年度の診療報酬・介護報酬・障害福祉等サービス報酬の同時改定で「医療・介護・障害者福祉の連携強化」目指せ—中医協総会(2)
医師働き方改革サポートする【地域医療体制確保加算】取得病院で、勤務医負担がわずかだが増加している—中医協総会(1)
患者・一般国民の多くはオンライン診療よりも対面診療を希望、かかりつけ医機能評価する診療報酬の取得は低調―入院・外来医療分科会(5)
医師働き方改革のポイントは「薬剤師へのタスク・シフト」、薬剤師確保に向けた診療報酬でのサポートを―入院・外来医療分科会(4)
地域包括ケア病棟で救急患者対応相当程度進む、回復期リハビリ病棟で重症患者受け入れなど進む―入院・外来医療分科会(3)
スーパーICU評価の【重症患者対応体制強化加算】、「看護配置に含めない看護師2名以上配置」等が大きなハードル―入院・外来医療分科会(2)
急性期一般1で「病床利用率が下がり、在院日数が延伸し、重症患者割合が下がっている」点をどう考えるべきか―入院・外来医療分科会(1)

総合入院体制加算⇒急性期充実体制加算シフトで産科医療等に悪影響?僻地での訪問看護+オンライン診療を推進!—中医協総会
DPC病院は「DPC制度の正しい理解」が極めて重要、制度の周知徹底と合わせ、違反時の「退出勧告」などの対応検討を—中医協総会
2024年度の費用対効果制度改革に向けた論議スタート、まずは現行制度の課題を抽出―中医協
電子カルテ標準化や医療機関のサイバーセキュリティ対策等の医療DX、診療報酬でどうサポートするか—中医協総会

日常診療・介護の中で「人生の最終段階に受けたい・受けたくない医療・介護」の意思決定支援進めよ!—中医協・介護給付費分科会の意見交換(2)
訪問看護の24時間対応推進には「負担軽減」策が必須!「頻回な訪問看護」提供への工夫を!—中医協・介護給付費分科会の意見交換(1)
急性期入院医療でも「身体拘束ゼロ」を目指すべきで、認知症対応力向上や情報連携推進が必須要素—中医協・介護給付費分科会の意見交換(2)
感染対策向上加算の要件である合同カンファレンス、介護施設等の参加も求めてはどうか—中医協・介護給付費分科会の意見交換(1)
要介護高齢者の急性期入院医療、介護・リハ体制が充実した地域包括ケア病棟等中心に提供すべきでは—中医協・介護給付費分科会の意見交換
2024年度の診療報酬に向け、まず第8次医療計画・医師働き方改革・医療DXに関する意見交換を今春より実施—中医協総会

2022年度改定での「在宅医療の裾野を広げるための加算」や「リフィル処方箋」など、まだ十分に活用されていない—中医協(1)