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GemMed塾 看護モニタリング

外来腫瘍化学療法診療料の要件見直し「質向上・裾野拡大」図る、小児末期がん患者への緩和ケア提供を評価する新加算―中医協総会(5)

2024.2.2.(金)

Gem Medで報じているとおり、2024年度の診療報酬改定に向けた「個別改定項目」、いわゆる「短冊」論議が進んでいます。点数そのものや重要な基準値などは「●●」と表示されるにとどまりが、改定内容を相当程度伺うことも可能です。今後、2月上旬の答申に向けて大詰めの議論が行われていきます。

●短冊(更新版)はこちら

1月26日の中央社会保険医療協議会・総会で(I)現下の雇用情勢も踏まえた人材確保・働き方改革等の推進(II)ポスト2025を見据えた地域包括ケアシステムの深化・推進や医療DXを含めた医療機能の分化・強化、連携の推進—について、1月31日の中医協総会で(III)安心・安全で質の高い医療の推進(IV)効率化・適正化を通じた医療保険制度の安定性・持続可能性の向上—に関する議論を実施しています。

極めて膨大な見直し項目が列挙されており、一度にその内容を紹介することは困難です。何回かに分けて短冊の内容全体を見ていくこととし、本稿では「がん対策」について短冊内容を眺めてみます。

▽急性期入院医療に関する記事はこちら(看護必要度、平均在院日数見直しは別稿で)
▽高齢救急患者対応に関する記事はこちら
▽医療従事者の働き方改革に関する記事はこちら
▽医療DXに関する記事はこちら
▽一般病棟用の看護必要度・急性期一般1の平均在院日数に関する記事はこちら
▽医療従事者の処遇改善に関する記事はこちら
▽高度急性期入院医療に関する記事はこちら
▽回復期入院医療に関する記事はこちら

【がん性疼痛緩和指導管理料】に、放射線治療・神経ブロック評価する新加算

「がん」は我が国の死因第1位を独走しています。もっとも、医学・医療の進展により予後が大きく改善され、「働きながらがん治療を行う」人も非常に多くなっています。こうした点を踏まえ、「優れたがん医療提供体制の構築」「仕事とがん治療との両立」などを診療報酬面でも手厚く支えることが重要な課題の1つとなります。

厚生労働省保険局医療課の眞鍋馨課長は、これまでの中医協論議を踏まえて、例えば次のような見直し案を短冊の中で示しました(関連記事はこちら)。

(1)【がん性疼痛緩和指導管理料】(B001【特定疾患治療管理料】の22)への新加算創設

(2)A232【がん拠点病院加算】の見直し

(3)B001-2-12【外来腫瘍化学療法診療料】の見直し

(4)口腔がん手術後の経過観察などにおいて、事前に診療情報を共有した上で近隣の歯科医師と連携して遠隔地の歯科医師がオンライン診療を行うことを新たに【歯科遠隔連携診療料】として評価する

(5)C003【在宅がん医療総合診療料】について、他医療機関等の関係職種がICTを用いて記録した患者の診療情報等を活用して、医師が計画的な医学管理を行うことを新たに【在宅医療情報連携加算】として評価するほか、【在宅医療DX情報活用加算】の新設、「処方箋を交付する場合の点数見直し」を行う

(6)在宅療養を行う末期がん患者の病状急変時に、ICTを活用して医療従事者等の間で共有されている「人生の最終段階における医療・ケアに関する情報」を踏まえ、医師が療養上必要な指導を行うことを新たに【在宅がん患者緊急時医療情報連携指導料】として評価する

(7)新たに【乳腺悪性腫瘍ラジオ波焼灼療法】を設ける

(8)A310【緩和ケア病棟】の【緩和ケア病棟緊急入院初期加算】における「事前の文書による情報提供」要件について、「ICTを活用して、受け入れを行う医療機関で患者の診療情報等が確認できる体制が構築されている場合」も含むこととする

(9)がんなどの緩和ケアを要する小児患者に対して、小児科経験を有する医師・看護師を含む緩和ケアチームによる診療、家族へのケアを行うこと、新たに【小児緩和ケア診療加算】として評価する(入院料の加算)

(10)周術期における呼吸器リハビリ料の対象患者に▼大腸がん▼卵巣がん▼膵がん—患者が含まれていることを明確化する(こちら



まず(1)は、【がん性疼痛緩和指導管理料】(B001【特定疾患治療管理料】の22)について、がん性疼痛緩和の専門治療が必要な患者に対し、患者・家族等の同意を得て、その必要性・診療方針などを文書で説明することを評価する新加算【難治性がん性疼痛緩和指導管理加算】を設けるものです。

新加算取得のためには、「がん患者に対するがん疼痛の症状緩和を目的とした放射線治療・神経ブロックを実施する体制・実績を有している」ことが施設基準として定められます。



また(2)では、A232【がん拠点病院加算】について次のような見直しが行われます。
▽都道府県がん診療連携拠点病院、特定領域がん診療連携拠点病院の「特例型」に指定された医療機関の算定点数を明確化する

▽地域がん診療拠点病院の「特例型」に指定された医療機関が算定項目を新設する

現在は「地域がん診療連携拠点病院」についてのみ「特例型」の算定点数が明示されていますが、他の「特例型」についても算定点数の明示を行うものです。

外来化学療法診療料の要件厳格化、24時間対応を連携実施する区分も設置

他方、(3)では、2022年度の前回診療報酬改定で新設されたB001-2-12【外来腫瘍化学療法診療料】について、次のような見直しを行います。要件厳格化により「質の高い外来がん化学療法」を求めるとともに、外来がん化学療法の裾野を広げる対応も図られます。

▽「自前で24時間の相談対応体制をとる医療機関」を評価する区分(診療料1・2)、と「診療料1医療機関と連携して24時間の相談対応体制をとる医療機関」と評価する区分(診療料3)に区分けする

▽「抗悪性腫瘍剤の投与その他必要な治療管理を行った場合」を、「抗悪性腫瘍剤を投与した場合」と「抗悪性腫瘍剤の投与以外の必要な治療管理を行った場合」とに細分化して評価する

▽診療料1では、施設基準において次の見直しを行う
▼【がん性疼痛緩和指導管理料】(B001【特定疾患治療管理料】の22)取得を義務化する
▼【がん患者指導管理料】(B001【特定疾患治療管理料】の23)の「ロ 医師、看護師又は公認心理師が心理的不安を軽減するための面接を行った場合」取得を努力義務化する
▼「院内に外来化学療法を担当し、緩和ケア研修を受けた医師」の配置を義務化する

▽診療料全般の施設基準について、次の対応を行う
▼外来化学療法体制(24 時間対応できる体制があることなど)をホームページ等に掲載することを義務化する
▼「患者が事業者(勤務先)と共同して作成した勤務情報を記載した文書を、医療機関に提出した場合に療養上必要な指導を実施する」ことをホームページ等に掲載することを努力義務化する
▼「患者の急変時等の対応に関する指針」作成を努力義務化する

▽医師の診察前に、薬剤師が服薬状況や副作用の発現状況等を確認・評価し、医師に情報提供、処方提案等を行うことを、新たに【がん薬物療法体制充実加算】として評価する

【乳腺悪性腫瘍ラジオ波焼灼療法】の評価を新設

また(7)は、昨年(2023年)11月末に保険適用され、現在準用評価されている【乳腺悪性腫瘍ラジオ波焼灼療法】について、次のように評価を新設し、各種加算を設けるものです(関連記事はこちら)。

(新)乳腺悪性腫瘍ラジオ波焼灼療法(一連として)●●点

▽フュージョンイメージングを用いて行った場合は、【フュージョンイメージング加算】として、●●点を所定点数に加算する

▽放射性同位元素および色素を用いたセンチネルリンパ節生検を行った場合、インドシアニングリーンを用いたリンパ節生検を行った場合には、【乳がんセンチネルリンパ節加算1】として●●点を所定点数に加算する。ただし、当該検査に用いた色素の費用は算定しない

▽放射性同位元素または色素を用いたセンチネルリンパ節生検を行った場合には、【乳がんセンチネルリンパ節加算2】として●●点を所定点数に加算する。ただし、当該検査に用いた色素の費用は算定しない

小児末期がん患者等への緩和ケア・栄養指導を評価する加算を新設

さらに(9)では、がんなどの緩和ケアを要する小児患者に対して、小児科経験を有する医師・看護師を含む緩和ケアチームによる診療、家族へのケアを行うことを次のように評価します。

(新)小児緩和ケア診療加算(1日につき)
【対象患者】
▽悪性腫瘍、後天性免疫不全症候群、末期心不全(心不全に適切な治療を行うも、慢性的にNYHA重症度分類IV度に該当し、頻回・持続的な点滴薬物療法が必要で、左室駆出率20%以下で、医学的に終末期の場合など)の患者のうち、疼痛、倦怠感、呼吸困難等の身体的症状、または不安、抑うつなどの精神症状を持つ患者

【算定要件】
▽緩和ケアを要する●●歳未満の小児に必要な診療を行った場合に算定可(入院基本料、小児緩和ケア診療加算を算定可能な特定入院料を算定する患者のみ)

【施設基準】
▽●●歳未満の小児患者に対する緩和ケア診療を行う十分な体制の整備
▽緩和ケアに関する研修を受けた医師の配置(自院で小児緩和ケア診療加算を算定する悪性腫瘍、末期心不全の患者に対し緩和ケアを行う場合に限る)
▽がん診療の拠点となる病院、日本医療機能評価機構等の医療機能評価を受けている病院、これらに準ずる病院



(新)小児個別栄養食事管理加算(1日につき)
【算定要件】
▽緩和ケアを要する●●歳未満の小児に対して、緩和ケアに係る必要な栄養食事管理を行った場合に、上記点数に加算する

【施設基準】
▽緩和ケアを要する●●歳未満の小児患者の個別栄養食事管理を行う十分な体制整備
▽緩和ケアを要する患者に対する個別栄養食事管理に係る必要な経験を有する管理栄養士の配置



なおGem Medでは改定セミナー動画も準備しております。是非、あわせてご活用ください。



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後発品の価格帯集約ルール、医療上の必要な医薬品の価格を下支えするルールなど、どのように考えていくべきか―中医協・薬価専門部会
少子化が進展する中で、小児医療・周産期医療について「集約化」と「アクセス確保」とのバランス考慮が極めて重要—中医協総会
2024年度以降の診療報酬改定、実施時期を2か月遅らせ「6月1日施行」とする方針を中医協で固める、薬価改定は4月実施を維持
医薬品を保険適用した後の「効能効果追加」などの評価改善、市場拡大再算定の在り方を継続論議―中医協・薬価専門部会
診療時間短縮などの効果あるプログラム医療機器、特別な評価をすべきか?―中医協・材料部会
感染対策向上加算等、「次なる新興感染症に備えるための医療機関・都道府県の協定」締結進むような見直しを—中医協総会
一部に「歪んだオンライン診療」、適切な形でのオンライン診療推進を目指せ!D to P with Nの量・質の拡充を―入院・外来医療分科会(4)
外来医療の機能分化が2024年度診療報酬改定でも重要テーマ、生活習慣病管理の取得・算定推進に向けた手立ては―入院・外来医療分科会(3)
入退院支援加算について「入院料別の施設基準・算定要件」など検討しては、緊急入院患者の退院支援が重要課題―入院・外来医療分科会(2)
がん化学療法の外来移行、「栄養指導」や「仕事と治療との両立支援」などと一体的・総合的に進めよ―入院・外来医療分科会(1)
高額な医薬品・医療機器など、より迅速かつ適切に費用対効果評価を行える仕組みを目指せ、評価人材の育成も急務―中医協
新薬創出等加算の企業要件には「相当の合理性」あり、ドラッグ・ラグ/ロスで日本国民が被る不利益をまず明確化せよ―中医協・薬価専門部会
在宅医療ニーズの急増に備え「在宅医療の質・量双方の充実」が継続課題!訪問看護師の心身負担増への対応も重要課題—中医協総会
入院医療における「身体拘束の縮小・廃止」のためには「病院長の意識・決断」が非常に重要―入院・外来医療分科会(3)
地域包括ケア病棟、誤嚥性肺炎等の直接入棟患者に「早期から適切なリハビリ」実施すべき―入院・外来医療分科会(2)
総合入院体制加算から急性期充実体制へのシフトで地域医療への影響は?加算取得病院の地域差をどう考えるか―入院・外来医療分科会(1)
「特許期間中の薬価を維持する」仕組み導入などで、日本の医薬品市場の魅力向上を図るべき―中医協・薬価専門部会
乳がん再発リスクなどを検出するプログラム医療機器、メーカーの体制など整い2023年9月から保険適用―中医協総会(2)
高齢患者の急性期入院、入院後のトリアージにより、下り搬送も含めた「適切な病棟での対応」を促進してはどうか—中医協総会(1)
2024年度の薬価・材料価格制度改革論議始まる、医薬品に関する有識者検討会報告書は「あくまで参考診療」—中医協総会(3)
マイナンバーカードの保険証利用が進むほどメリットを実感する者が増えていくため、利用体制整備が最重要—中医協総会(2)
かかりつけ医機能は「地域の医療機関が連携して果たす」べきもの、診療報酬による評価でもこの点を踏まえよ—中医協総会(1)
2024年度の診療報酬・介護報酬・障害福祉等サービス報酬の同時改定で「医療・介護・障害者福祉の連携強化」目指せ—中医協総会(2)
医師働き方改革サポートする【地域医療体制確保加算】取得病院で、勤務医負担がわずかだが増加している—中医協総会(1)
患者・一般国民の多くはオンライン診療よりも対面診療を希望、かかりつけ医機能評価する診療報酬の取得は低調―入院・外来医療分科会(5)
医師働き方改革のポイントは「薬剤師へのタスク・シフト」、薬剤師確保に向けた診療報酬でのサポートを―入院・外来医療分科会(4)
地域包括ケア病棟で救急患者対応相当程度進む、回復期リハビリ病棟で重症患者受け入れなど進む―入院・外来医療分科会(3)
スーパーICU評価の【重症患者対応体制強化加算】、「看護配置に含めない看護師2名以上配置」等が大きなハードル―入院・外来医療分科会(2)
急性期一般1で「病床利用率が下がり、在院日数が延伸し、重症患者割合が下がっている」点をどう考えるべきか―入院・外来医療分科会(1)

総合入院体制加算⇒急性期充実体制加算シフトで産科医療等に悪影響?僻地での訪問看護+オンライン診療を推進!—中医協総会
DPC病院は「DPC制度の正しい理解」が極めて重要、制度の周知徹底と合わせ、違反時の「退出勧告」などの対応検討を—中医協総会
2024年度の費用対効果制度改革に向けた論議スタート、まずは現行制度の課題を抽出―中医協
電子カルテ標準化や医療機関のサイバーセキュリティ対策等の医療DX、診療報酬でどうサポートするか—中医協総会

日常診療・介護の中で「人生の最終段階に受けたい・受けたくない医療・介護」の意思決定支援進めよ!—中医協・介護給付費分科会の意見交換(2)
訪問看護の24時間対応推進には「負担軽減」策が必須!「頻回な訪問看護」提供への工夫を!—中医協・介護給付費分科会の意見交換(1)
急性期入院医療でも「身体拘束ゼロ」を目指すべきで、認知症対応力向上や情報連携推進が必須要素—中医協・介護給付費分科会の意見交換(2)
感染対策向上加算の要件である合同カンファレンス、介護施設等の参加も求めてはどうか—中医協・介護給付費分科会の意見交換(1)
要介護高齢者の急性期入院医療、介護・リハ体制が充実した地域包括ケア病棟等中心に提供すべきでは—中医協・介護給付費分科会の意見交換
2024年度の診療報酬に向け、まず第8次医療計画・医師働き方改革・医療DXに関する意見交換を今春より実施—中医協総会

2022年度改定での「在宅医療の裾野を広げるための加算」や「リフィル処方箋」など、まだ十分に活用されていない—中医協(1)