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今年（2021年）7月の健保組合医療費、2020年同月と比べ10.07%、2019年同月と比べ2.3％増加―健保連

2021.10.8.（金）

新型コロナウイルス感染症の影響が続くが、今年（2021年）7月には、健保組合加入者の医療費は前年同期に比べて「10.07％」の大幅増となった―。

「コロナ感染症の影響」を除外するために2019年7月と2021年7月とを比べると「2.3％の増加」となっており、大企業の会社員・その家族は医療機関受診を通常ペースに戻してきていると考えられる―。

健康保険組合連合会（健保連）が10月4日に公表した「健保組合医療費（医療保険医療費）最近の動向【令和3年7月診療分】」から、こういった状況が分かりました（健保連のサイトはこちら）。

1 7月の健保組合医療費、前年に比べて10.07％、前々年に比べて2.3％の増加
2 今年（2021年）7月も、前年同期に比べて患者延べ数が大きく増加
3 「1日当たり単価」の増加は継続、ただし長期処方の影響が調剤では減少続く

7月の健保組合医療費、前年に比べて10.07％、前々年に比べて2.3％の増加

新型コロナウイルス感染症の動きは予断を許しません。いわゆる第5波は落ち着きを見せ、東京や大阪などに発せられている緊急事態宣言等も近く解除される見込みですが、「年末・年始にかけて第6波が到来する」可能性も指摘されており、依然として「感染防止策の徹底」と「医療提供体制の確保」の2点が最優先かつ最重要な課題となります。

医療提供体制・医療費に関しては、コロナ感染症が大きな影響を及ぼしています。例えば、入院医療について、医療資源（看護師や機器等）をコロナ感染症の重症患者に重点化・集約化するために、多くの病院で「予定入院・予定手術の延期」が行われてきています（入院患者の減少）。また外来医療を見れば、患者側の受療行動適正化（軽微な症状での医療機関受診を控える）や一般の感染症の減少（衛生面向上や他人との接触機会の減少など）などにより、▼外来受診患者の減少▼救急搬送件数の減少―なども生じています。「患者減」はダイレクトに「医療機関収益減少」、さらに「医療費の減少」につながっていることが各種の調査で明らかになっています。昨年度（2020年度）には、医療費が前年度に比べて1兆4000億円・3.2％も減少したことが厚生労働省の調べで明らかになっています。

主に大企業の会社員とその家族が加入する健康保険組合（公的医療保険の1つ、健保組合）の連合組織である健康保険組合連合会でも、医療費の動向を分析しています。
●健保連調査：2021年6月分、2021年5月分、2021年4月分、2021年3月分、2021年2月分、2021年1月分、12月分、11月分、10月分、9月分、8月分、7月分、6月分調査、4・5月分調査

健保連はさらに今般、今年（2021年）7月診療分のレセプトを集計・分析し、その結果を公表しました。

7月の健保組合医療費総額は4102億8725万円円弱で、前年同月に比べて「10.07%の大幅増加」となりました。

しかし、4月・5月・6月と同様に「昨年（2020年）同期には、コロナ感染症によって医療費が激減していた（患者受診減が生じた）」（2019年7月から2020年7月にかけては全体で7.04％減）ことの反動が大きく関係していることは述べるまでもありません。

そこで、2019年7月から2021年7月の伸び率を推計すると「2.3％増」となっています。2019年同月との比を見てみると、▼2021年4月：2.6％増▼2021年5月：2.4％増▼2021年6月：6.1％増▼2021年7月：2.3％増—となっており、「医療費の水準（つまり患者の受診状況）が相当程度、回復している」と見ることができそうです。

ただし、厚労省の2021年4・5月医療費分析によれば「2019年同月の水準には戻っていない」ことが分かっており、「医療費の水準（つまり患者の受診状況）が相当程度、回復している」のは、主に大企業の会社員とその家族に限られる（高齢者などは異なる動きをしている）と考えるべきでしょう。

今後、要因分析などが詳しくなされることが期待されます。

【健保組合全体】
▼3月：前年度比7.97％減 →（7.58ポイントのマイナス）→ ▼4月：同15.55％減 →（0.93ポイントのマイナス）→ ▼5月：同16.48％減 →（9.57ポイントのプラス）→ ▼6月：同6.91％減 →（0.13ポイントのマイナス）→ ▼7月：同7.04％減 →（2.46ポイントのプラス）→ ▼8月：同4.58％減 →（3.80ポイントのプラス）→ ▼9月：同0.78％減 →（4.40ポイントのプラス） → ▼10月：同3.62％増 →（9.0ポイントのマイナス）→ ▼11月：同5.38％減 →（2.15ポイントのプラス）→ ▼12月：同3.23％減 →（2.55ポイントのマイナス）→▼2021年1月：同5.78％減 →（0.29ポイントのプラス）→▼2021年2月：同5.49％減 →（14.44ポイントのプラス）→▼2021年3月：同8.95％増 →（12.59ポイントのプラス）→▼2021年4月：同21.54％増 →（1.09ポイントのプラス）→▼2021年5月：同22.63％増 →（8.60ポイントのマイナス）→▼2021年6月：同14.03％増 →（3.96ポイントのマイナス）→▼2021年7月：同10.07％増

【健保組合のうち70－74歳の前期高齢者】
▼3月：前年度比0.18％減 →（8.97ポイントのマイナス）→ ▼4月：同9.15％減 →（3.84ポイントのマイナス）→ ▼5月：同12.99％減 →（12.96ポイントのプラス）→ ▼6月：同0.03％減 →（2.84ポイントのマイナス）→ ▼7月：同2.87％減 →（0.47ポイントのマイナス）→ ▼8月：同3.34％減 →（2.35ポイントのプラス）→ ▼9月：同0.99％減 →（4.38ポイントのプラス） → ▼10月：同3.39％増 →（5.66ポイントのマイナス）→ ▼11月：同2.27％減 →（4.53ポイントのマイナス）→ ▼12月：同2.26％増 →（3.83ポイントのマイナス）→ ▼2021年1月：同1.57％減 →（0.08ポイントのマイナス）→▼2021年2月：同1.65％減 →（10.91ポイントのプラス）→▼2021年3月：同9.26％増 →（6.90ポイントのプラス）→▼2021年4月：同16.16％増 →（2.50ポイントのプラス）→▼2021年5月：同18.66％増 →（9.69ポイントのマイナス）→▼2021年6月：同8.97％増 →（6.23ポイントのマイナス）→▼2021年7月：同2.74％増

【被用者保険】（健保組合、協会けんぽ（主に中小企業の会社員とその家族が加入）、共済組合（主に公務員とその家族が加入））
▼3月：前年度比3.5％減 →（8.64ポイントのマイナス）→ ▼4月：同12.18％減 →（1.93ポイントのマイナス）→ ▼5月：同14.11％減 →（9.46ポイントのプラス）→ ▼6月：同4.65％減 →（1.11ポイントのマイナス）→ ▼7月：同5.76％減 →（2.41ポイントのプラス）→ ▼8月：同3.35％減 →（3.13ポイントのプラス）→ ▼9月：同0.22％減 →（3.94ポイントのプラス）→ ▼10月：同3.72％増 →（8.25ポイントのプラス）→ ▼11月：同4.53％減 →（1.81ポイントのプラス）→ ▼12月：同2.72％減 →（2.32ポイント減）→ ▼2021年1月：同5.04％減 → （0.95ポイントのプラス）→ ▼2021年2月：同4.36％減 →（12.61ポイントのプラス）→ ▼2021年3月：同8.35％増 → （9.57ポイントのプラス）→ ▼2021年4月：同17.92％増 →（1.84ポイントのプラス）→ ▼2021年5月：19.76％増 →（7.08ポイントのプラス）→ ▼2021年6月：同12.68％増 → ▼2021年7月：未集計

2021年7月、健保組合医療費全体は前年同期比で10.07％増加した（2021年7月健保組合医療費の動向1 211004）

また「1人当たり医療費」（医療費／加入者数→「単価」と言い換えることができる）を見ると、次のように医療費総額と似た動きをしています。

【健保組合全体】
▼3月：前年度比5.88％減 →（9.67ポイントのマイナス）→ ▼4月：同15.55％減 →（0.93ポイントのマイナス）→ ▼5月：同16.48％減 →（9.58ポイントのプラス）→ ▼6月：同6.90％減 →（0.14ポイントのマイナス）→ ▼7月：同7.04％減→（2.45ポイントのプラス）→ ▼8月：4.59％減 →（3.81ポイントのプラス）→ ▼9月：0.78％減 →（4.40ポイントのプラス） → ▼10月：同3.62％増 →（9.0ポイントのマイナス）→ ▼11月：同5.38％減 →（2.16ポイントのプラス）→ ▼12月：同3.22％減→（3.56ポイントのマイナス）→ ▼2021年1月：同5.78％減 →（0.59ポイントのプラス）→▼2021年2月：同5.19％減 →（14.50ポイントのプラス）→▼2021年3月：同9.31％増 →（12.23ポイントのプラス）→▼2021年4月：同21.54％増 →（1.09ポイントのプラス）→▼2021年5月：同22.63％増→（8.60ポイントのマイナス）→ ▼2021年6月：同14.03％増 →（3.95ポイントのマイナス）→ ▼2021年7月：同10.08％増

【健保組合のうち70－74歳の前期高齢者】
▼3月：前年度比0.27％減 →（8.88ポイントのマイナス）→ ▼4月：同9.15％減 →（3.84ポイントのマイナス）→ ▼5月：同12.99％減 →（12.68ポイントのプラス）→ ▼6月：同0.31％減 →（2.56ポイントのマイナス）→ ▼7月：同2.87％減→（0.47ポイントのプラス）→ ▼8月：3.34％減 →（2.35ポイントのプラス）→ ▼9月：0.99％減 →（4.38ポイントのプラス） → ▼10月：同3.39％増 →（5.66ポイントのマイナス）→ ▼11月：同2.27％減 →（4.53ポイントのプラス）→ ▼12月：同2.26％増 →（3.83ポイントのマイナス）→ ▼2021年1月：同1.57％減 →（2.36ポイントのマイナス）→▼2021年2月：同3.93％減 →（10.65ポイントのプラス）→▼2021年3月：同6.72％増 →（9.45ポイントのプラス）→▼2021年4月：同16.17％増 →（2.49ポイントのプラス）→▼2021年5月：同18.66％増 →（9.69ポイントのマイナス）→ ▼2021年6月：同8.97％増 →（6.23ポイントのマイナス）→▼2021年7月：同2.74％増

【被用者保険】（健保組合、協会けんぽ（主に中小企業の会社員とその家族が加入）、共済組合（主に公務員とその家族が加入））
▼3月：前年度比3.70％減 →（8.68ポイントのマイナス）→ ▼4月：同12.38％減 →（1.93ポイントのマイナス）→ ▼5月：同14.31％減 →（9.46ポイントのプラス）→ ▼6月：同4.85％減 →（1.11ポイントのマイナス）→ ▼7月：5.96％減 →（2.41ポイントのプラス）→ ▼8月：3.55％ →（3.33ポイントのプラス）→ ▼9月：同0.32％減 →（3.94ポイントのプラス）→ ▼10月：同3.62％増 →（8.25ポイントのマイナス）→ ▼11月：4.63％減 →（1.81ポイントのプラス）→ ▼12月：2.82％減 →（2.49ポイントのマイナス）→ ▼2021年1月：5.31％減 →（0.95ポイントのプラス）→ ▼2021年：2月：4.36％減 → （12.71ポイントのプラス）→ ▼2021年3月：8.35％増 →（9.67ポイントのプラス）→▼2021年4月：18.02％ →（1.84ポイントのプラス）→ ▼2021年5月：19.86％増 →（6.70ポイントのマイナス）→ ▼2021年6月：同12.98％増 → ▼2021年7月：未集計

2021年7月、健保組合加入者の1人当たり医療費は前年同期比で10.08％増加した（2021年7月健保組合医療費の動向2 211004）

「医療費の減少」の中には、▼衛生面の向上（手洗いの徹底、マスクの着用など）による感染症全般の減少▼医療機関を受診するまでもない軽症者の受診控え（受療行動の適正化）▼「がん」など発見・治療の遅れが予後に大きく影響すると考えられる疾病の受診控え―など様々なケースがあります。「医療費の増加」もその逆で、「受診行動が元にもどる（軽微な症状でも医療機関を受診する）」「検査が適切に行われ、がんなどが発見される」など様々です。「どういったケースが減少したのか、また増えたのか」を詳細に分析し、もし「必要な受診がなされていない」ことが明らかになれば、保険者からも加入者の生命・健康維持を考慮し「適切に医療機関を受診する」ような勧奨が求められる点に留意が必要です。

今年（2021年）7月も、前年同期に比べて患者延べ数が大きく増加

一方、「総患者数」に相当する「延べ日数・延べ処方箋枚数」を見ると、次のように「改善している」ことが確認されました。健保組合加入者に限れば、医療機関受診を再開したことが分かります（もちろん、2019年4月から2020年4月にかけて大幅に減少したことの反動もある点には留意が必要。このため2019年度と2021年度との比較データが示されることを期待したい）。

【医科入院】
▽4月：前年同月に比べて14.48%減
▽5月：同15.48%減
▽6月：同13.05％減（5月に比べて2.43ポイントのプラス）
▽7月：同11.51％減（6月に比べて1.54ポイントのマイナス）
▽8月：同10.08％減（7月に比べて1.43ポイントのプラス）
▽9月：同7.09％減（8月に比べて2.99ポイントプラス）
▽10月：同4.81％減（9月に比べて2.28ポイントのプラス）
▽11月：同7.66％減（10月に比べて2.85ポイントのマイナス）
▽12月：同8.60％減（11月に比べて0.94ポイントのマイナス）
▽2021年1月：同10.23％減（12月に比べて1.63ポイントのマイナス）
▽2021年2月：同12.79％減（1月に比べて2.56ポイントのマイナス）
▽2021年3月：同4.89％減（2月に比べて7.90ポイントのプラス）
▽2021年4月：同5.86％増（3月に比べて10.75ポイントのプラス）
▽2021年5月：同8.08％増（4月に比べて2.22ポイントのプラス）
▽2021年6月：同7.45％増（5月に比べて0.63ポイントのマイナス）
▽2021年7月：同3.30％増（6月に比べて4.4ポイントのマイナス）

2021年7月、医科入院の延べ日数（延べ患者数）は前年同期比で3.30％増加した（2021年7月健保組合医療費の動向3 211004）

【医科入院外】
▽4月：同29.24%減
▽5月：同28.40%減
▽6月：同17.82％減（5月に比べて10.58ポイントのプラス）
▽7月：同16.14％減（6月に比べて1.68ポイントのマイナス）
▽8月：同10.20％減（7月に比べて5.94ポイントのプラス）
▽9月：同10.07％減（8月に比べて0.13ポイントのプラス）
▽10月：同1.80％減（9月に比べて8.27ポイントのプラス）
▽11月：同14.37％減（10月に比べて12.57ポイントのマイナス）
▽12月：同13.57％減（11月に比べて0.80ポイントのプラス）
▽2021年1月：同17.13％減（12月に比べて3.56ポイントのマイナス）
▽2021年2月：同14.60％減（1月に比べて2.53ポイントのプラス）
▽2021年3月：同7.81％増（2月に比べて22.41ポイントのプラス）
▽2021年4月：同29.78％増（3月に比べて21.97ポイントのプラス）
▽2021年5月：同27.51％増（4月に比べて2.36ポイントのマイナス）
▽2021年6月：同14.75％増（5月に比べて12.76ポイントのマイナス）
▽2021年7月：同9.79％増（6月に比べて4.96ポイントのマイナス）

2021年7月、医科入院外の延べ日数（延べ患者数）は前年同期比で9.79％増加した（2021年7月健保組合医療費の動向4 211004）

【歯科】
▽4月：同21.67%減
▽5月：同16.59%減
▽6月：同7.35％減（5月に比べて9.24ポイントのプラス）
▽7月：同10.07％減（6月に比べて2.72ポイントのマイナス）
▽8月：同5.03％減（7月に比べて5.04ポイントのプラス）
▽9月：同0.33％増（8月に比べて5.36ポイントのプラス）
▽10月：同9.63％増（9月に比べて9.30ポイントのプラス）
▽11月：同4.63％減（10月に比べて14.26ポイントのマイナス）
▽12月：同0.13％減（11月に比べて4.50ポイントのプラス）
▽2021年1月：同2.56％減（12月に比べて2.43ポイントのマイナス）
▽2021年2月：同5.81％減（1月に比べて3.25ポイントのマイナス）
▽2021年3月：同2.64％増（2月に比べて8.45ポイントのプラス）
▽2021年4月：同26.91％増（3月に比べて24.27ポイントのプラス）
▽2021年5月：同20.75％増（4月に比べて6.16ポイントのマイナス）
▽2021年6月：同4.15％増（5月に比べて16.60ポイントのマイナス）
▽2021年7月：同3.98％増（6月に比べて0.17ポイントのマイナス）

2021年7月、歯科の延べ日数（延べ患者数）は前年同期比で3.98％増加した（2021年7月健保組合医療費の動向5 211004）

【調剤】
▽4月：同27.48%減
▽5月：同27.20%減
▽6月：同18.44％減（5月に比べて8.76ポイントのプラス）
▽7月：同16.66％減（6月に比べて1.78ポイントのマイナス）
▽8月：同11.49％減（7月に比べて5.17ポイントのプラス）
▽9月：同12.70％減（8月に比べて1.21ポイントのマイナス）
▽10月：同3.89％減（9月に比べて8.81ポイントのプラス）
▽11月：同17.23％減（10月に比べて13.34ポイントのマイナス）
▽12月：同16.30％減（11月に比べて0.93ポイントのプラス）
▽2021年1月：同19.60％減（12月に比べて3.30ポイントのマイナス）
▽2021年2月：同16.96％減（1月に比べて2.63ポイントのプラス）
▽2021年3月：同7.19％減（2月に比べて24.15ポイントのプラス）
▽2021年4月：同24.59％増（3月に比べて17.40ポイントのプラス）
▽2021年5月：同24.35％増（4月に比べて0.24ポイントのマイナス）
▽2021年6月：同15.78％増（5月に比べて8.57ポイントのマイナス）
▽2021年7月：同12.42％増（6月に比べて3.36ポイントのマイナス）

2021年7月、調剤の延べ日数（延べ患者数）は前年同期比で12.42％増加した（2021年7月健保組合医療費の動向6 211004）

「1日当たり単価」の増加は継続、ただし長期処方の影響が調剤では減少続く

また、「患者単価」に相当する1日当たり医療費を見ると、調剤を除いて「前年同期に比べての増加が継続している」ことを改めて確認できます。調剤については、医療機関外来で「長期処方」（コロナウイルスへの罹患を避けるため、医療機関受診等の回数を少なくするために、処方期間を通常より長くするケースが少なくない）がなされ、結果、調剤報酬の減（処方料、調剤料や各種加算などの収益源）が生じているものと伺えます（関連記事はこちら）。

▼診療報酬による臨時特例措置（例えば新型コロナウイルス感染症患者を受け入れる専用病床を確保したICU等で特定入院料を3倍にする、呼吸不全管理が必要な中等症IIの患者を受け入れた場合に救急医療管理加算の5倍相当点数を認めるなど）による収益増▼新型コロナウイルス感染症に係る「検査」増（DPCなどでも検査料等を出来高算定可能）▼重症者に対する「医療資源投入量」増—などが背景にあると考えられます。詳細な診療行為別分析（基本料、医学管理料、検査、投薬などのいずれが増加しているのか）に注目が集まります。

【医科入院】
▽4月：前年同月に比べて3.67%増
▽5月：同1.08%増
▽6月：同5.78％増
▽7月：同3.68％増
▽8月：同2.58％増
▽9月：同6.78％増
▽10月：同4.76％増
▽11月：同4.21％増
▽12月：同6.20％増
▽2021年1月：同4.46％増
▽2021年2月：同6.46％増
▽2021年3月：同5.91％増
▽2021年4月：同6.35％増
▽2021年5月：同8.45％増
▽2021年6月：同6.65％増
▽2021年7月：同4.11％増

【医科入院外】
▽4月：同11.22%増
▽5月：同9.58%増
▽6月：同10.38％増
▽7月：同9.03％増
▽8月：同6.08％増
▽9月：同8.41％増
▽10月：同4.08％増
▽11月：同8.31％増
▽12月：同9.24％増
▽2021年1月：同10.74％増
▽2021年2月：同10.62％増
▽2021年3月：同5.65％増
▽2021年4月：同1.98％増
▽2021年5月：同2.28％増
▽2021年6月：同2.76％増
▽2021年7月：同3.50％増

【歯科】
▽4月：同6.43%増
▽5月：同6.40%増
▽6月：同6.95％増
▽7月：同7.60％増
▽8月：同7.05％増
▽9月：同7.62％増
▽10月：同5.50％増
▽11月：同5.00％増
▽12月：同5.51％増
▽2021年1月：同5.62％増
▽2021年2月：同6.14％増
▽2021年3月：同5.82％増
▽2021年4月：同3.13％増
▽2021年5月：同3.27％増
▽2021年6月：同2.41％増
▽2021年7月：同2.28％増

【調剤】
▽4月：同25.47%増
▽5月：同21.50%増
▽6月：同16.74％増
▽7月：同13.58％増
▽8月：同8.42％増
▽9月：同11.23％増
▽10月：同8.39％増
▽11月：同12.09％増
▽12月：同14.57％増
▽2021年1月：同17.75％増
▽2021年2月：同12.13％増
▽2021年3月：同1.99％増
▽2021年4月：同13.07％減
▽2021年5月：同8.90％減
▽2021年6月：同4.69％減
▽2021年7月：同3.27％減