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新型コロナのPCR検査、新型コロナ・季節性インフルの同時抗原検査で新たな検査手法の保険適用続く―厚労省

2021.11.18.（木）

新型コロナウイルス感染症については、関係者の懸命な努力により新規感染者や重症患者の発生状況が落ち着いています。しかし、感染者数減少の明確な要因は必ずしも明らかになっていません。また北海道などで新規感染者増加の兆しも出ており、「今冬に第6波が到来する」可能性も懸念されています。依然として「感染防止策の徹底」と「医療提供体制の確保」が重要な状況は変わっていません。

医療提供体制のうち、新型コロナウイルス感染患者を鑑別する検査法に関しては、厚生労働省が▼PCR検査（核酸検査）▼抗原定性検査▼抗原定量検査―を保険適用。さらに「迅速に新型コロナウイルス感染症と季節性インフルエンザとを鑑別できる検査手法」（関連記事はこちらとこちら）の開発・保険適用を進めるなど、体制の拡充が進められてきています。

さらに厚労省は11月17日に事務連絡「疑義解釈資料の送付について（その83 ）」を提示。そこでは、次のような新検査を保険適用したことが明らかにされました（厚労省のサイトはこちら）。

▽新型コロナウイルスのPCR検査（SARS－CoV－2（新型コロナウイルス）核酸検出）に関して、「FTD SARS－CoV－2 キット」（シーメンスヘルスケア・ダイアグノスティクス社）が11月17日に薬事承認され、同日から保険適用されている

▽新型コロナウイルス（SARS－CoV－2）とインフルエンザウイルスの抗原を同時に、簡便かつ迅速に検出できる検査（SARS－CoV－2・インフルエンザ抗原同時検出）に関して、▼クイックチェイサー SARS－CoV－2／Flu」（ミズホメディー社）▼クイックチェイサー SARS－CoV－2／Flu A，B」（ミズホメディー社）—が11月17日に薬事承認され、同日から保険適用されている

新型コロナウイルスに係る検査については、このように新検査手法の保険適用が順次続けられています。また、これまでにも例えば次のような拡大・充実も行われてきています。より柔軟かつ円滑に「陽性者の鑑別」がなされる体制が目指されています。

▽検査に係る医療機関のコスト増に配慮し、▼検査点数が包括されるDPC病院・特定機能病院においても検査費用（検査実施料・検査判断料の診療報酬点数）を出来高請求可能とする（関連記事はこちらとこちらとこちらとこちら）▼検査点数料が包括される療養病棟や地域包括ケア病棟、ICUなどのユニットや、地域包括診療料（外来）などでも検査費用を出来高請求可能とする（関連記事はこちらとこちらとこちら）―

▽PCR検査（核酸検査）について、▼医師の判断で無症状患者にも実施できる▼発症9日までは唾液を検体とした検査が実施できる▼無症状者についても唾液を検体とした検査が実施できる—こととする

▽抗原検査に関して、▼検査キットの充実によって全国の医療機関等での実施を可能とする▼最新研究を踏まえて発症日を含めて、発症から9日までの患者では「陰性の確定診断」を可能（従前は発症から2－9日）とする―（介護施設や療養病棟などで入所者・入院患者・スタッフに広く簡便に検査を実施し、クラスターの早期発見、早期対応実施が可能になっている）

▽6月25日に保険適用された抗原定量検査は「退院可能性の判断」などにも使用可能とする―