GemMed | データが拓く新時代医療 > 新型コロナ対応 > 診療等、医学的知見関連 > コロナ治療薬「ゾコーバ錠」の処方等前には、必ず「患者が妊娠している可能性がないか」などの確認を—厚労省

コロナ治療薬「ゾコーバ錠」の処方等前には、必ず「患者が妊娠している可能性がないか」などの確認を—厚労省

2023.2.28.（火）

新型コロナウイルス感染症の治療薬「ゾコーバ錠」については、動物実験で催奇形性の可能性が指摘されており「妊婦」「妊娠している可能性のある女性」には投与できない—。

医療機関・薬局においては、ゾコーバ錠を処方等する前に、必ず「妊娠している女性、妊娠している可能性のある女性、または妊娠する可能性のある女性への投与に関するお願い」の別紙（「ゾコーバ錠125mgを服用する際の事前チェックリスト」）を確認し、「妊娠している可能性のある女性等への投与」を避けるよう徹底してほしい—。

厚生労働省は2月24日に事務連絡「新型コロナウイルス感染症における経口抗ウイルス薬（ゾコーバ錠 125mg）の使用にあたっての注意喚起に係る追加の情報提供」を示し、こうした点に留意するよう医療現場等に再度要請しました（厚労省サイトはこちら）。

禁忌である「妊婦」に投与してしまった事例が発生

新型コロナウイルス感染症の治療薬として緊急承認（1年限りの承認、緊急承認から1年以内に安全性・有効性のデータを揃え本承認を得なければならない）された「エンシトレルビル・フマル酸」（販売名：ゾコーバ錠125mg）については、「動物実験で催奇形性の可能性が指摘されており、妊婦や妊娠している可能性のある女性には投与してはならない」「数多くの併用禁忌薬・併用注意薬があり、投与前に患者が服用している医薬品をすべて把握しなければならない」ことなどに留意する必要があります。

しかし、「ゾコーバ錠を投与した患者について、後に『投与時に妊娠していた』ことが判明する」事例が生じており、厚労省は「投与前に妊娠している可能性のないことの確認を徹底してほしい」などの要請を行っています（関連記事はこちら）。

その後、厚労省の薬事・食品衛生審議会薬でも検討が行われましたが「現時点で追加の安全対策を行う必要はない」こととされました。

ただし、「妊娠の可能性のある女性への注意喚起について、引き続き『製造販売業者が作成する事前チェックリストの活用』が有用」であることも指摘され、厚労省は今般の事務連絡で次の点に留意するよう医療現場に要請しています。

●引き続き、製造販売業者が周知している「妊娠している女性、妊娠している可能性のある女性、または妊娠する可能性のある女性への投与に関するお願い」の別紙（「ゾコーバ錠125mgを服用する際の事前チェックリスト」）を処方前に必ず確認する